カテゴリ:「ジェンダーと哲学」の本
愛と性を描ける作家、渡辺淳一さんの話題作、「シャトウルージュ」が文庫本になったので、深まる秋に読んでみようかと、手に入れて読み始めました。朝の電車ではちょっとはばかれる内容なのですが、でもお話の展開に思わず電車を降りたホームでも読みつづけてしまっています。
良家の美しいお嬢様である月子を妻にした若い青年医師。彼は前途有望な優秀な外科医であるが、実は家柄的にも妻月子にコンプレックスを持ち、月子の性への無関心さと冷たさに翻弄され、性的なコンプレックスを持っている。そんな彼は、思わぬ手段にでるのであった。フランスの古城で行われる、女性に『調教』を施すある秘密結社に妻を預けたのである。毎日送られてくる妻月子への調教の記録に、青年医師は、気が狂いそうになりながら、その世界へのめりこんでいく。 こんな内容なのですが、それがなかなか読ませるんですね。どこか『O嬢の物語』を彷彿させるようなSM芸術的な香りの高い内容です。とっても興味深いですよ! いつもアナーキーな渡辺さん。「現代の日本社会は、ワイドショーを始めとして、不倫とか離婚とか嫉妬とか、男女のことに直ぐ大騒ぎをして、最後はありきたりの道徳論を振りかざして批判するだけでしょう。まずそういったものに反逆したかった、とともに、もっと自然な性を評価してあげたかった」(『本の話』平成13年11月号)という事らしいのです。素晴らしいですね。【次回に続く】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.10.27 12:01:51
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