カテゴリ:「ジェンダーと哲学」の本
シャトウルージュを読み終わりました。なかなか鋭い現代社会への批判となっていてとっても面白かったです。
性に冷淡な妻を調教してもらうべく、ある組織に委ね、毎日その組織から送られてくる映像に日々驚愕と怒りと恐れを感じる若き優秀な医者である夫は、女に目覚めた妻に対して、自分の性の稚拙さを思い知らされるのです。自分以外の男性たちに、あれほど喜びを感じ、目覚めていく妻を許せないとともに、その反面、強烈なコンプレックスを抱き、自分自身の性愛の技術に不安となり、肉体的にも役にたたない夫。男と女の違いが是ほどまでに見事に描かれるとスッキリしますね。 この本を読んで、女性達は、まさにそのとおりなのよと叫ぶ人が多いのではないかと思います。(笑)性について、女の底知れなさに比べたら男は弱いものであり、だからこそ男性優位の社会構造を作ることに躍起になり、科学的分析、論理的思考を駆使し、女に代表される自然的、感覚的な面を押さえ込んできたんでしょうね。渡辺さんもおっしゃる通り、もう一方的な男性による自己中心の性の時代は終わり、いかに女性達を悦ばせ満足させるかによって男性たちが女性たちに選ばれるような時代であるということなんですね。最後に妻から届いた手紙がまた非常に面白かったです。女から見たら当たり前の感覚なのですが、夫はその手紙を読み、なんと鋭く明晰なのかと驚くのですね。その感覚のギャップに、思わず感心してしまいました。まあ、とにかくお読みくださいね。男性も女性も必読の本だと思います。(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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