カテゴリ:遊女asomeの「嗜み」
レオナルド・ダ・ヴィンチ展に行ってまいりました。
私の最も好きな画家は、レオナルド・ダ・ヴィンチです。吸い込まれるような奥行きのある作品の奥に神秘と畏怖を感じるからでしょう。 ダ・ヴィンチの絵画は、何度か見る機会がありましたが、科学者としてのダ・ヴィンチに触れる今回の展示会はとても興味深いものでした。 レスター手稿は、彼が生涯をかけて取り組んだ貴重な資料で、さまざまな科学的考察の集大成としてまとめられた極めて貴重な研究ノートです。 現在は、あのビル・ゲイツ夫妻の個人所有となって年に一度だけ公開されるそうです。 レスター手稿は、「鏡文字」と呼ばれる、鏡に映すと普通に読めるという左右対称の書体で書かれています。当時、「紙」は出始めたばかりで、最先端の高価なメディアだったようです。紙面一面にびっしりと綴られた研究メモとイラストを目にすることができて感激です。 水流を実験する道具を再現した装置がありました。ついつい子供のように、私もその実験装置を使い、水の流れを楽しみました。しかし、実際、これをノートにしてまとめるとなると根気のいる作業ですね。そして最も抵抗の少ない形を見つけ出し、橋桁に応用するという建築家としての心理を探求するレオナルド・ダ・ヴィンチの好奇心が伝わってくるようでした。 レオナルド・ダ・ヴィンチの研究の中でも水は大きなテーマで、水を変化と調和の象徴として考えていたようです。 私たちが何気なく見る水面に落ちる水滴の波紋。この会場に再現された実験装置を使っての波紋に思わず見入ってしまいました。あらためて波紋の神秘と美に触れ、うっとりしてしまいました。 最後コーナーに設置されたビデオで、最後の晩餐が映し出され、またまた見入ってしまいました。「ダ・ヴィンチ・コード」にもありましたが、彼が本当に伝えたかったメッセージは、彼の絵の中に隠されているのでしょうね。 水面に落とされた水滴は、同心円の波紋となって広がる 音は波紋となって広がる 一人の男の発した言葉も空気の中を波紋となって同心円に広がる なぜ、彼の絵がこれほどまでに人々を魅了してやまないのか?ダ・ヴィンチの表現するその奥行きと広がりと存在感は、人間、科学、自然、宇宙への絶え間ない探究心とあくなき好奇心から、もたらされたものなんだということが、一層深く感じとれたレスター手稿でした。 ぜひ、この機会にレオナルド・ダ・ヴィンチに会いに行ってみてくださいませ。 http://www.leonardodavinci.jp/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.11.02 23:29:52
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