テーマ:DVD映画鑑賞(14209)
カテゴリ:遊女aosmeの「映画とドラマ」
話題となった渡辺淳一の新聞小説の映画化です。失楽園では、黒木瞳と役所広司が演じてくれましたが、今回は豊川悦司と寺島しのぶコンビです。寺島しのぶは非常に色っぽく演じてくれました。
女性の喜びを表現するときの艶っぽさは黒木瞳よりも、もしかしたら彼女のほうがずっと艶っぽかったかもしれません。相当にいい女ですね。それに比べると、若手の長谷川京子はちょっといきがり過ぎでしょうか。役柄が知的な検事役ということなのですが、どうもいまいち演技が素人っぽい感じです。しかし、豊悦は相変わらずいい男でした。この人も今が男として一番艶のあるときでしょうね。 この映画は、不倫の情事の絶頂の最中に首を絞めてと求められ、その思いを遂げて殺された女とその殺人の罪を背負う男の話なのです。まさに阿部定と反対のバージョンですね。失楽園のときには、二人で死を選んだのですが、今回は愛する女を殺してしまった男の物語なのです。彼の罪は、殺人か、自殺幇助か。 この映画の中に「女には二種類ある、それを知っている女と知らない女だ」という台詞が語られます。まさに本当の女の喜びを知ったとき、女はもう、後には戻れなくなってしまうのです。そしてこれまでのこの社会体制の中で生きていくことは許されないことだと本能的に悟ってしまうのでしょう。 裁判の最中に「だれも本当の冬香を知らないんだ、あなた方は死にたくなるほど誰かを愛したことがあるんですか」と問う男(豊悦)の問いは、現代の資本主義の世界に生きている中性化してしまったすべての男と女に問うべきテーマなのだと実感しました。快楽は罪とされ、女たちがつらい性を生きなければならなくなって、はや何千年の歴史が流れました。今、ターニングポイントに立つ女と男は、今後どのように進むでしょうか。皆様はどうお考えですか? 監督 鶴橋康夫 原作 渡辺淳一 出演 寺島しのぶ 豊川悦司 長谷川京子 佐藤浩市 仲村トオル お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.09.16 23:58:03
コメント(0) | コメントを書く
[遊女aosmeの「映画とドラマ」] カテゴリの最新記事
|
|