テーマ:今日見た舞台(965)
カテゴリ:遊女asomeの「嗜み」
2月の3日、大雪の中新作能を観にいきました。
世阿弥は、能を演じ、そして常に新しい謡を書きました。今で言えば、とてもマルチな人だったのですね。ちょっと考えてみても大変な才能の持ち主だと思います。しかもとても美貌だったわけで、そんな男に会ってみたいですよね。でも昔の人たちは、自ら能を作り、そして謡い、舞ったのです。なんでもできる全人格的なトータルな人間だったのですね。 現代の人たちは分業することで、専門的な能力を発揮するようになっていますが、トータル的には、実は能力を全開していないのかもしれませんね。 この日はお酒にちなんだ能と狂言、しかも新作能を見る楽しみがありました。 この新作能は「麦溜」というタイトルで、ウィスキーの神様が登場するお話です。この世のものではない鬼人や神を演じるとき、本当に能の舞台と空間は、別世界へと変ります。人間を超えた存在を演じる能という芸術は、とても面白いですね。能の醍醐味なんですね。 シンプルで能らしく、また、そこに登場する神の姿は、やはりこの世のものとは思えない、 非常に高貴な姿なのです。 外は吹雪、私は2度も転びながら会場に向かったのですが、暖かな舞台は、まるで別空間のようで、記念に振舞われたモルトウィスキーがさらに体に柔らかく暖かく巡り、とてもよい気持ちでその異空間を楽しみました。 能の楽しみは、これは舞ってみたり謡ってみたりしないとなかなか分りにくいものなのかもしれませんが、とても深くて楽しい世界です。皆様も、ぜひ一度、能の世界にふれてみてください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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