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2008.07.17
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平重盛の三男である清経の霊が都に残した妻の夢枕に立つという能ならではの恋物語の舞台です。狂言は野村萬斎で、「吹取」。清経は笛の音が非常に重要な物語の進行役をするのですが、その笛にちなんだ狂言の出し物で、大変コミカルで面白い舞台でした。
この舞台で萬斎さんの吹く笛の音を始めて聞きましたが、役者さんはほんとうにいろいろと出来ないとならないのですね。そういえば能役者は、謡いも仕舞もこなし、脚本も書き、舞台演出もしました。世阿弥などは本当に今で言えば大変マルチな才能を持っていた方ですが、日本も昔から一人で何役でも出来るというのは当たり前だったのかもしれませんね。
狂言の笑いは、言葉が多少難しくても、人間共通の普遍的な笑いなんですね。今回は男と女のなんともいえない、機微が表現されています。
今回、この「清経」もとても素敵でした。清経が戦や病で亡くなったのではなく、自ら身を投げたということで先に死んでしまった夫に恨みを持つ妻と、形見の髪を家来に持たせたのに受けとらなかったと妻におまえこそひどいではないかと、せっかく夢で会えたにもかかわらず、うらみつらみを言い合う二人になぜか人間の哀れさを感じました。いつもこうして男女の気持ちはすれ違い、お互いがわかりあえないのは今も昔も同じなんだとなんだかおかしくなってしまいました。
男である清経は、恨み言を言い合っても始まらないと思ったのか、最後はかなり哲学的になり、なぜ身を投げるにいたったかを話して聞かせるのですが、途中でも妻は夫の自分勝手さに恨み言を続けるのです、しかし死後においても修羅道で敵に攻め続けられるこの身であって、これが因果なのだと清経は語り終えて静かに去っていくのです。なぜかこの物語り、男女のあり方の違いが見事に現れていてとても心に迫ってくるものがありました。
また、清経が登場するときには笛の音に導かれ現れてくるのですが、笛が止むとぴたっと動作が止み、笛が始まると動き出し、その場面は見せ場となっています。
清経は何故かとても色香が香りますね。今まで見た中で、一番ときめき、また考えさせられた能の舞台でした。





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Last updated  2008.07.18 00:55:31
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