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2010.02.08
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カテゴリ:悲しい話
ほら あそこが森だよ~

指さす方向をみると、確かに茂みがあった。


病院に一番近いデートスポットだって 教えてくれた先生

先生と言っても お医者さんでなくて

学校の先生なんだ。

ここは 長期療養病棟で、13歳の僕に 先生や 大学生のお兄さん達が

暇つぶしに勉強などを 教えてくれる。

院内学級なんて なかった時代の話

ある日、病院内で ちょっとした騒ぎがあった。

看護師さんと、大学生のお兄さんが 漆の木にかぶれたんだ。

あそこの森の中で かぶれたらしい おまけに尻だってぽっ

たまたま親が 面会に来てて もう別れさすだの 騙されただの大騒動


その後 どうなったか 僕は 知らないけれど


それから 50年以上 僕は 生かされてきた。

あの頃 死ぬはずだった僕は おまけの人生で 結婚もして

子どももできたし、家も建てた。

肺も 少ししか残ってないし、ハイ 酸素のホースを ずっと引っ張って歩いてる。

寝るときは 酸素マスクしないと 生きていけない

やさしい奥さんは、 本当は 犬を飼いたいらしいけれど

僕の世話をして欲しいし、犬に負けそうなので

どうか 犬飼わないでと 頼んでるの。


生かされていることが不思議で、すべてに感謝  と


いつも私に話してくれてた風さんが、突然 天国に引っ越した。

少し 甲高い声、ガハハと 笑う声、いろんなウンチク話に

夫婦喧嘩


突然の訃報は、今でも信じられない

玄関のチャイムを押すと、 はあい と声が聞こえてくるかもしれない

奥さんが 悲しみのあまり寝込んでいないだろうか

ご飯食べているだろうか


今日は 初七日


別れは いつも突然で、出会えてありがとうの言葉も かけられない


介護の仕事をしていると、悲しい場面に出会う

残された家族に、思い、 などを 時に 伝える時もある。

いつもありがとう   いつも家族には感謝していると 話してらっしゃいましたよ


遠く離れた娘や 息子に そっと伝える。

胸が痛くなるほど 泣いて 泣いて そして また次の家へと


笑顔で 出かける。  ありがとう  を言うために。








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最終更新日  2010.02.08 22:57:56
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