2×4工法の特徴は、壁や床、天井が一体となって組み立てられた箱形構造のため、
外部からの力を各面に分散させることから、住宅の強度が大きく、
地震や台風に対して強いことが、まずあげられると思います。
従いまして、このような特徴を最大限発揮するには
床や天井、壁を構成する面材である構造用合板は、
とても重要な役割を果たすようです。
通常の場合は、ねこちパパさんのHPに記載されている公庫仕様書によりますと、
外壁の下張りにはJASの品質規格にある"特類"の構造用合板が用いられるようです。
この"特類"については、当ブログの拙文『構造用合板!』をご覧下さい。
しかし最近では、建築用の部材も研究開発が進んでいるそうで
新建材が建物のいたる所で使用されるようになってきているようです。
富士住建では、新素材であるダイライトという大建工業株式会社が開発した
火山性ガラス質複層板を外壁の下地に使用しています。
↓ ダイライトマンが印象的な(笑)ダイライト
ダイライトには12mm厚のものと9mm厚の2種類があるようですが
富士住建では2×4の場合、9mm厚のダイライトが使用されます。
↓ ダイライトの厚さ
このダイライト、いろんな資料を読むと結構良いトコづくめなことが書いてあって、
思わず"ホントか?"ってツッコミを入れたくなってしまうのですが
極めて優秀な特性を持っているようです。
まずダイライトの材質ですが、
鉱物質繊維と火山性ガラス質材料を原料にした無機質の複層板だそうです。
そしてダイライトの特徴は次のようなものだそうです。
1. 耐火性
ダイライトの材質には燃えにくい不燃物原料が使用されているので
優れた防火・耐火性があり不燃・準不燃材料としても認定されているそうです。
外壁の下地に使用される「ダイライトMS」という製品は
国土交通省から準不燃(QM-9142)の認定を受けているそうです。
2. 強度
ダイライトMSは2×4(枠組)工法において
9mm厚のものでも壁倍率が3.0を確保できるそうです。
木材並の軽さの無機質素材では類がないそうで、
構造用合板の"特類"と同レベル以上の耐力性のあることが認められているようです。
なお、よく建築物を設計する際の重要なポイントとして
"壁量"と"壁倍率"という言葉が出てきます。
ここで、これらの言葉を確認しておきましょう。
● 壁量
「壁量=壁倍率×耐力壁の長さ」で算出され、壁の耐力を長さで表したものだそうです。
例えば、壁倍率1.0の耐力壁の長さが100cmの壁量は
「壁量=1.0×100=100cm」となるそうです。
そして、壁倍率1.0の耐力壁の長さが200cmの壁量だと
「壁量=1.0×200=200cm」になるのですが、
壁倍率2.0の耐力壁の長さが100cmの壁量も
「壁量=2.0×100=200cm」と同じ壁量となります。
これはすなわち、高倍率の耐力壁を用いることで、
壁の長さを少なくすることができるということを示しているようです。
●壁倍率
これは建築基準法と品確法とで、その計算方法が異なるようです。
<建築基準法の壁量計算の場合>
耐力壁の長さ1mあたりの基準耐力が
1.275kN (=130kgf)であることを壁倍率1.0と定義するそうです。
すなわち、壁倍率1.0の許容耐力は、長さ1mにつき1.275kN (=130kgf)となります。
<品確法の壁量計算の場合>
耐力壁の長さ1mあたりの基準耐力が
1.96kN (=200kgf)であることを壁倍率1.0と定義するそうです。
すなわち、壁倍率1.0の許容耐力は、長さ1mにつき1.96kN (=200kgf)となります。
注)kN=1000N(ニュートン:SI単位系の力の単位)
1kgf=9.80665N
(出典:mokuzou.com)
3. 高耐久
ダイライトが無機質材料を使用しているので、
シロアリが食料とする成分が入っていないため防蟻性に優れ、腐食にも強く、
煮沸・凍結融解試験でも安定した品質・寸法を確保していたそうです。
そして透湿性にも優れているらしく、壁内部の湿気を放出し、
内部結露による腐巧をも防ぐことが出来るそうです。
4. ゼロアス・低ホル
ダイライトは、発ガン性があり、近年特に問題視されているアスベストや
異臭やアレルギー体質への影響が懸念されるホルムアルデヒトを
原料技術と独創の製法により一切使用していないそうです。
また、ホルマリンについても、パーチクルボードや繊維板に適応される
JISの放散量基準のEoタイプ(0.5mg/l以下)の基準を大幅にクリアしているそうです。
5. 軽量・施工性
ダイライトの比重(g/cm2)は0.7だそうです。
また、木材と同じようにVカットや実加工などの細やかな加工も可能だそうです。
そして、表面の優れた緻密性・平滑性により、シート貼り・塗装・ダイレクト印刷、
ラミネートなど表面の加工性にも優れているそうです。
さて、これだけ利点ばかり挙げられると、
逆に疑ってかかりたくもなりますがいかがでしょうか?(笑)
ですので、ダイライトの欠点を調べてもみたのですが
・ 価格が構造用合板より高い
・ 構造を支えるものに親水性があるのはどうなのか?
・ 粘りがない(割れやすい?)
・ 釘、ビスなどが効きにくい、保持力がない
・ 水平方向の強度はあるが、ダイライトそのものの強度は構造用合板に劣る
などの指摘があるようです。
価格については、富士住建ではダイライトが標準に含まれての設定になっているので
富士住建で建てる場合には、欠点になりえませんね。
強度については、どの程度の根拠があるものか分からないので何とも言えません。
しかしながら、在来工法でもダイライトを使うビルダーも増えてきています。
これはダイライト構法と言われているそうですが、
ダイライトを在来軸組工法の外壁下地に耐力面材として用いて
家の強度を高めようとするものだそうです。
所謂、在来工法に2×4工法をミックスしたようなものらしいです。
富士住建も、在来工法にダイライト構法を採用している1社ですけど、
結果としてダイライトを使うビルダーが増えてきているということは
ダイライトの優秀性が徐々に認められている証なのではないでしょうか?
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