昨夜帰宅して駐車場の雪かきをしていた。ほんの5~60kmほどしか離れていない岩見沢が豪雪に見舞われている報道をよそに、安閑とした日々を過ごしていたのもどこへやらで、札幌も平年以上の降雪量に悩まされている。
30分ほど作業をして、八割方終わったかな?という頃、見知らぬ青年に声をかけられた。
「すみません。近所に住んでる者なんですが、車が埋まってしまいまして。私が押しますので運転をしてもらえないでしょうか?」
「はい、いいですよ」
現地へ出向いた。前輪駆動車の左前輪が完全にスタックしていた。ナンバーを見ると相模ナンバーだった。冬道は初体験とのことだった。
無意味と承知しつつその青年がアクセルを吹かして自分が左側を押してみた。やはり無意味だった。少しフロント側の積雪をを掘ってみたが空転を続けていた。
布製の布団入れをタイヤに絡ませようとしたが上手くいかなかった。
「これは、牽引ロープで引っ張ってもらうほか脱出方法はありませんよ。私もそれを持っていないので、JAFや整備工場を呼ぶしかありませんね。
「私は運送会社勤務なので、ちょっと電話してみます。」
「それがいいでしょうね。」
「ありがとうございました。遅い時間に申し訳ありませんでした。」
自分の駐車場に戻って残りの作業を済ませた頃に、かくの青年がまた近付いてきた。
「同僚と電話が通じまして、牽引ロープを持って向かってくれています。すみませんでした。ホント申し訳なかったです。」
「いえいえ、かえってお役に立てませんで。」
午前9時30分頃から氷点下の中を7kmジョグしてきた。走り終えて昨夜の青年が気になりそこへ足を運んでみた。車は無事に脱出を果たしたようで、その影も形もなかった。ただ、タイヤが空転を続けていた巨大な穴が残っていた。
昨夜それがないがために脱出の手助けを果たせなかった牽引ロープ。いつ己が助けを求める側になるやもしれない冬道の必需品なのかもしれない。
(11:19)
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最終更新日
2012年01月11日 11時19分43秒
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