アルコール その3
体のお話は、文字通り体のお話なんですが、今日は頭の話です。内科ではなく精神科・神経科の話です。適量のお話の中で、記憶が残らなくなるまで飲むのはNG問いましたが、そこ迄なるのは人それぞれ。ただ、これを繰り返すうちに、記憶が無くなる量は少なくなっていきます。アルコールも基本薬物です。人間の脳は薬物に弱いのです。作用されすい。おまけに、開放感や多幸感は普段は感じられない物なので、1度知ってしまうと、もう1度と求めてしまいやすい。そう、病的にアルコールを欲して求めてしまう。そして病気になるのです。欲望の求めるままにアルコールを常用すると、体もアルコールに対応。アルコールがある時が普通でアルコールが無いと機能が落ちるようになります。それに、二日酔いの成分であるアセトアルデヒドが常時体内にある状態です。色々な弊害が出てきます。では、どんな風にアルコール依存症になるか2例を上げます。1例目。もともと飲むと記憶が無くなるまで飲む方だったようです。仕事でプレッシャーを感じていたようです。月曜日、職場に行ってお昼には缶ビールに手を出しました。どうやら一気にビール1リットル、その後3時にもビールを1リットル。夕方7時から朝3時まで飲み歩き、そのまま会社の宿直室へ。次の日から、朝から迎え酒、お酒以外はほとんど食べないで昼もお酒で、夜も空酒で痛飲。金曜日の夜から月曜の朝まで、会社の宿直室に寝泊まりし、飲酒を継続。月曜日の朝には、アセトアルデヒドの症状で、動くこともしゃべることも出来ずに病院へ直行。1週間、お酒を取り続けた結果でした。2例目とてもお酒好きな方でした。職場のロッカールームに4リットルの焼酎を隠していました。仕事中に、隠れ飲酒少量(1口)するようになりました。転勤が契機になったようです。隠れ飲酒が、だんだん量が増え始め、3か月でいつも酒臭いと言われました。1年を待たずに生活破綻しました。朝、職場に出勤せず、職場で騒ぎ出した昼前に酩酊状態で出社。取るに足らない言い訳で遅刻の理由を並べ、その後就業とするので飲酒での仕事を止めに入ったところ、ロッカーにお酒があるのが発覚。会社側で強制的に精神科に受診。その後、実家に強制帰宅。自宅でも飲酒は止まらず、家族が病院に入院させました。精神科の先生に言わせれば、晩酌も十分アルコール依存症なんだそうですが・・・・病院に入院する人の特徴は、「迎え酒」と「昼酒」。年金生活者が、することも無く昼間から飲みだすと簡単にアルコール依存症まっしぐらです。俗に「酒乱」と言われる人たちは、酔ってるときの記憶がないですね。何故記憶がないか?記憶は、大脳皮質の領分。そこが麻痺してると言うことは、理性が働かない。理性が無いから人間関係が成り立たなくなるのです。これも、アルコール依存症で禁酒が必要です。最後に一つ。アルコール依存症の人は、一口のお酒で依存症に逆戻り。自制できなくなり、飲酒を止められなくなります。だから、一旦アルコール依存症になると、残りの一生を禁酒で過ごすことになります。お酒が好きな方、そんな人ほど飲酒には気をつけましょう。欲望のままに飲酒すると、好きなお酒を取り上げられますよ。どうせなら、高くておいしいお酒をゆっくり味わうのが、一番いいと思いますけどね。