前回の日記で登場したＨさん。私と彼女は親子ほど歳が離れているけれど、私はＨさんの話を聞くのが好き。沢山人生経験を積んでいるだけあって、彼女の話を聞く度に勉強になる事が沢山ある。


先日Ｈさんが私にしてくれたお話。とても考えさせられたと同時に、沢山の方に参考になる良い話だと思いますので、皆様にもシェアしたいと思います。


Ｈさんは40数年前に、米軍人だった元夫（白人）に日本で知り合い、渡米した。彼女達の間にはお嬢さんが2人いる。


Ｈさんと元夫は渡米後色々とあり、まだお嬢さん達が小さな子供の頃に離婚された。


離婚するにあたってかなり苦しい、辛い思いをしたと言うＨさん。離婚後も娘2人のcustody問題などで、散々頭を悩ませ、元夫と戦ったらしい。


日本の親家族の反対を押し切ってアメリカ人と結婚してこちらに来た以上、日本に帰る家はなかったし、何があってもこちらで暮らしていこうと決心して来た以上、日本に帰る事は考えなかったそうだ。


辛い毎日が続いた。苦しかった。彼女はその思いから少しでも抜け出したかった。楽になりたかったのでいつの間にか酒の力を借りるようになっていた。そして気がついたらheavy drinkerになっていたと言う。


Ｈさんは元夫を憎み、そして自分が惨めだった。「なんでこんな事になってしまったのだろう・・・」自分が情けなかった。


いつの間にか物事を悪い方ばかりにとる様になっていた。こういう考え方しか出来ない人間になっていたと言う。


そうして彼女は何十年も悲しい日々を送った。約10年前にお酒を飲むのは止めたものの、その後まだ元夫を憎み、自分が惨めで、いつもnegative thoughtばかりが頭に浮かんでいたそうだ。


Ｈさんは長年沢山お酒を飲み続けたせいか、数年前に重病にかかり命を落としかけた。死にかけてやっと自分自身と和解したと言う。やっと元夫を許せる気持ちになって、そうしたら自然と物事を良い方に見れる様になって、心の中に平和を感じる様になったと言う。


色々と苦労もしたけれど、今になって昔を振り返ってみると、良く頑張ったねと自分をほめられる様になったって。でもこう考えられる様になるまでの数十年間、自分だけでなく娘2人を苦しめてしまったとも話してくれた。


人生山あり谷ありって言うけれど、本当にそうだと思う。多かれ少なかれ、誰の人生にも山あり谷あり。でもそういった困難を乗り越える度に、人間は強くなるんだと思う。つらい事に負けないで、物事を良い方にとり、前向きに進めばいつかは山や谷を乗り越えられる。私の大好きな言葉の１つにYou don't have to forget,but you should forgive.というのがある。


Ｈさんがそれに気づくまでに４０年近くもかかった。でも彼女はそれを恥とは思っていない。「私はおしゃべりだから・・」と言って話しをしてくれるＨさん。彼女がした間違いを他の人にして欲しくないと、私にもこうして話してくれているのだろう。感謝している。


人生山あり谷あり。つらい事、悲しい事、悔しい事、惨めな事など色々あると思う。楽しい事ばかりではない。


今、とても苦しい思いをしている方もいるかもしれません。


でもＨさんの様に４０年近くも苦しんで、死にそうになってやっとMake peace with yourselfではなく、一日も早く心の中に平和を感じられる日が来る事をお祈りしています。