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テーマ:海外生活(7773)
カテゴリ:遠出・旅・アウトドア
ワタシは数日前からこの日を楽しみにしていた。
この間T兄の家に泊まった時に持ちかけられたこの小旅行、オークランドを離れてハミルトンという車で約1時間半のところに向かうのだ。ここはかつてワタシがいた日本の埼玉県浦和市(現:さいたま市)と姉妹都市で、(ちなみにオークランドは福岡市)ここにはT兄のお母さんと妹さん夫婦が住んでいる。おばさんは元高校の生物の先生。そして現在はワイカト大学で更に勉強をしている。年を召されているのにチャレンジ精神一杯で誰もが感心する上、とても明るく気さくでワタシにとっては日本でのホストマザーだったから今でも大好きな親戚のような感じだ。 娘さんのしーちゃんはワタシと同い年。だんなさんのワーホリに便乗して夫婦でNZにやってきた。そして今年の2月にすみれちゃんという女の子を出産と聞いているがワタシは未だに会ったことがない。T兄曰く「かなりかわいいぜ!」とのこと。T兄、さっそくの伯父バカ発揮なのだろうか…。 ちなみにおじさんは日本で一人逆単身赴任状態で浦和に住んで仕事をされている。今度T兄達が帰る際、おばさんも日本に数ヶ月帰国予定だ。 そういった感じでワタシはハミルトンに行くのが凄く楽しみな訳だ。もちろん今回の目的はただ単におばさんの家に遊びに行くということではないのだが。 朝10時にT兄が家までピックしにきてくれた。長靴、雨ガッパといったものをしっかりと備えて車に乗り込んだ。30分もしたらあっという間にオークランドの外れになり、段々景色も代表的なNZの、牧草の山に羊や牛が見えてくる。近頃オークランドの中で羊や牛を見る機会が減った。空いた土地は段々建物が建てられてきているからだ。 このドライブの間T兄といろいろと話をしていたのでハミルトンまでの距離は短く感じた。 しかし何だか天候が悪い。途中ポツポツとやってきた。ここでT兄が「俺、かなりの雨男なんだよな。」と。彼は結婚式やイベントごとには必ず雨が降るらしい。ワタシはそうでもないのだが、T兄の雨乞いパワー(?)の前には屈した。 先週やその前にもちょくちょく来ているはずなのにT兄はおばさんの家の行き方を覚えていないので(苦笑)市街に入ってからワタシはおばさんの家までナビをした。ワタシは地図をにらめっこしていたおかげで覚えてしまったので次回は地図いらないと思う。 そして昼前にようやく着くとおばさんが出迎えてくれた。ハミルトンのはずなのにおばさんの家に入ったとたん何だか浦和の家にいる気分になった。ああ、懐かしい。T兄もこころなしか一児のパパから日本にいた頃の息子の顔に戻っている。おばさんがおそばを作ってくれてそれを平らげた後、おばさんやT兄の知り合いでもあるNさんがやってきた。彼はハミルトンに住んでいる日本人で今回の我々の目的のナビをしてくれる人だ。 しかしながら段々雲行きが怪しくなった。雨もポツポツしているのでこれはダメかなあと思ったがせっかく来たのに目的を果たさないのも何なので予定を強行した。 ハミルトンから更に南下してティラウという街に向かう。ともかくこのハミルトン含むワイカト地方は農場が多い。酪農も盛んに行われているし、まさにNZの景色でもある芝生に羊、牛の光景は代名詞でもある。 途中雨が酷くなったりして、Nさんにも「Tさん、酷い雨男ぶりですね…。」と突っ込まれる。T兄も苦笑い。 N「まさにレインマンだね。」 T「お、雨男と言われるとむかつくけどレインマンってかっこいいな!」 べ「それってなんかダスティン・ホフマンみたい。」 T「よし、今日から俺はレインマンで行こう!」 N「いや、それでいかれても天気がよくなきゃ困るんだけど…。」 とたわいのない会話をしつつ、Nさんが農場に車を進めていった。 何故に農場というと今回の目的地は農場の敷地内にあるので、農場主さんに断って敷地に入らせてもらう許しを請うのだ。 そうすると四輪バギーにのった気さくなおっちゃんが走ってきたのでNさんが、「この先に言ってもいいですか?」みたいなやり取りをしていたら、すごく気前よく「おお、いいよ!」と受け応えてくれた。う~ん、いいなあ英語の訛りといいノリといい純朴だ。 車で敷地をガガガーっと進むと至るところにフェンスのゲートに出くわす。 このフェンスを開いて進み必ずゲートを閉めて行くのが農場での絶対のマナーだ。 そしてついに到着した。雨は途中パラついてたが今のところは降っていない。 見よ、見渡す限りの牧草の丘を。なんだかテレビ番組にも出てきそうないかにもNZという景色。 そして我々が目指しているのはこの眼下の川。水がとても澄み渡っているこの川で、今回はニジマス釣りをするのだ!!! 本来ならばフライフィッシングと行きたいところだが、竿の都合によりT兄、Nさんはフライ、私はルアーでアタックすることになった。 しかしながら川釣りだなんて本当に久しぶりだ。淡水での釣りはやった事はあるのだが、主に湖とか沼で、川は小学生以来無かったように思う。ニジマスはクイーンズタウンで一回トライしたことあるが、この時はもう彼是17年前なのでほぼ初めてと言っても過言でない。Nさんにコツを教わり、「始めの一発でかかったらすごいよね。」なんて言っていたら本当に第一投目でいきなり手応えが!しかし合わせのタイミングを逸し、逃してしまった。まるで冗談の様な出来事にさすがのNさんも苦笑い。すごい、これは行ける!と早くも興奮状態だが騒ぎ過ぎてはいけない。移動の時も川からなるべく離れてだ。でないと魚に察知されてしまうらしい。 しかし農場の中にこんなにきれいな川があったとは。それでも生憎今日は悪天候で濁っているらしいが、普段は澄み渡って川の底まで見えるそうだ。 ポイントに投げては巻き、投げては巻きを繰り返す。途中ルアーの軽さや手首のスナップをうまく利かせずなかなか苦戦を強いられたが、軽すぎたルアーを若干重いものに変えたらなかなか飛距離が飛ぶようになり、いい感じに。それでもまだ投げに力が入りすぎてうまく投げきれていないのだが、たまに魚の反応もあったりして私的には非常にワクワクな時間を過ごす。 T兄はフライの竿を持ってズンズン上流に進む。Nさんは親切にワタシのそばでガイドをしつつ糸をたらしている。 フライフィッシングを見たことあるだろうか。釣り糸を投げる様は本当にかっこいい。 ヒュンヒュンと音をたてて空を切り、まるで鞭のように空中を舞って前後の勢いで狙いのポイントにフライ針を投げる。これは思わず見惚れる。ワタシも以前やったことがあるが、なかなかポイントに落とすのはむつかしい。今回は生憎竿がないのでできなかったが、次回チャンスがあれば是非ともやってみたい。 そうこうして釣りを始めてから大体40分くらいしてついにHIT!グググーっといい感じに引きがある。う~ん、この感覚は釣りしてて楽しい最高の瞬間だ。ニジマスはなかなか合わせが難しく、グーッと引きすぎてもばらしてしまう恐れがあるのでここは慎重にかつ速やかに糸をたぐいよせたい。そしてついに陸にあげてみるとサイズにして20センチ台。ニジマスというよりヒメマスといった感じ。ニジマスの特徴でもあるきれいな虹色の模様もまだ小さいためあまり綺麗には見えないが、とりあえずは待望の一匹目。この川では小さいものが多いためこのサイズでもリリースしなくても持ち帰ってもよい。もちろんこの先釣れるか分からないので持ち帰ることにし、さっそく内臓をNさんに乗り除いてもらった。彼はこのニジマスの胃袋を切り開いてどんなものを食べているのかを研究し、そのえさに似たフライ針を作って今後の釣りに応用する。 フライ針とは鳥の羽やいろいろな材料を使って昆虫や川虫などに似せた針で、これを魚は間違えてパクついて引っ掛かるという訳だ。だからいかにしてその川の生態系に自然に溶け込めるような針を作れるかによってこの疑似餌の真実味が増すのだ。この針はコレクターもいるし、また自分で作る楽しみ、ある種の芸術のような域のものもあるのでなかなか奥が深い。似せれば似せる程いいが、魚を捕まえるのは釣り方や魚のいそうなポイントに投げる点なども関わってくるのでそこがこのフライフィッシングの楽しさといったところか。ま、ワタシは今回この楽しみは体験できなかったわけだが、ルアー釣りでも十分ニジマスはかかるし、糸を投げるのに自身が無い人は手軽にカリカリ巻いていると当たりも感じれるのでとても楽しい。ま、一番いいのはルアーにせよ、フライにせよいちいち餌を付けなくていいというところか。 その後大分なれたので各自別れて川を徐々に上流に向かいつつ狙っていくことにした。 一時は雨が降ってて本当に釣りが出来るのかなどと思ったが今では雨も止んで釣りが出来ているのが嬉しい。こんなリラックスした、しかも農場を越えて辿りついた川釣りを誰が想像出来ただろうか。まさに贅沢な時間だ。途中何回かの喰らいつきがあったものの、引っ掛けるまでに及ばす悔しい思いをする。で、たまにデジカメで景色の写真撮ったりとワタシはかなりマイペース。それでいいんだ。 途中の川伝いに行けないところは一旦丘の上まで上がってポイントを移動する。その際、農場のフェンスがあるのだが、このフェンス、羊や牛が簡単に壊して越えさないように電流が流れている。そんなことをすっかり忘れてフェンスを触った途端ビビビーっと電流が!思わず「アアウ~!!」なんて変な声を出してしまった。まさに羊並みのびっくり加減に我ながら情けない。(ま、動物占い「羊」だったし。)Nさんは以前フェンスを越えようとして誤って股間にこの衝撃をやってしまったそうな…。それは衝撃だったのか快楽だったのか敢えて突っ込みはせなんだ。 前編その弐へつづく。 ♪Losing Your Mind - Pride And Glory お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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