|
カテゴリ:古い記憶
中学生の時に幼馴染みのMちゃんと映画を見に行った時のこと。
あの時見たのは「小さな恋のメロディ」。 Mちゃんのお兄さんが雑誌「スクリーン」を定期講読していて時々借りていたMちゃんは、映画情報通で一緒に映画を見るのに最適な人だった。 Mちゃんは一つ年下でその時、同級生のIちゃんも一緒だった。 その時の思い出は映画よりも、映画が終わったあとIちゃんが「姉ちゃんのアパートに寄っていく」だった。 彼女についていくと、アーケード街に入り、店と店の間の狭い路地に入り、古い建物の外階段を上っていく。 そこがIちゃんのお姉さんのアパートだという。 木造の古い建物。 ドアをノックして中に入ると、そのお姉さんはいた。 1970年初頭、女性のメイクトレンドそのままの付け睫バサバサとアイラインもしっかりと、眉毛は細く、髪の毛も金髪に近い、ウェーブのショートヘア。 ファンデーションもしっかりと塗り込んであり、素顔が想像できないほど。 中学生当時の私の頭でも「このお姉ちゃんは水商売だ」と確信できた。 私達は昼食は済んでいたので、アパートを出て下の喫茶店で飲み物をご馳走になった。 たばこを吸いながら、口数少なく、ニコニコしながら可愛い妹の話を聞いていた。 その派手な外見からずっと年上に見えたけど、以外と若かったのかも。 あのお姉さん、今はどうしているだろう。 ケラケラ笑ってばかりで明るくて可愛いIちゃんもどうしているだろう。 Mちゃんも親が離婚してその後音信不通になった。 母が高校は進学校に入学してその後、教師になったらしいと教えてくれた。 中学生三人、ちゃんと制服で行ったこと。 映画の出演者が似ていない手書き看板。 並んで映画館に入ったこと。 アーケード街の喧騒。 派手な店の外観と対称的に、裏に廻ると古い木造の建物。 身近に見た厚化粧のお姉さん。 遠くて懐かしい記憶。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.06.10 19:31:25
コメント(0) | コメントを書く |