民主党圧勝
今回の衆院選挙は民主党の大勝利となった。これも国民の選択なのだから勝利した民主党は勝利の余韻に浸るだけでなく、身を引き締めて国民のための政策を行ってほしい。ただ今回の選挙もマスコミの偏った報道が顕著に見られて残念だった。マスコミ論調はいつも与党を批判するスタンスをとる。バブルがはじけ景気停滞が10年も続き、それを改革しようと一部の成功を見いだしたのは小泉政権であった。しかし中国の株価下落からサブプライム破綻、リーマンショックで日本の景気は急激に下落した。皮肉にもベンチャー企業を優遇し景気を活性化していたところに資本金のない企業は大打撃を受け次々と倒産していった。もちろん企業への救済処置を怠った政策も批判されようが、アメリカ発の経済破綻はあまりにも急激すぎた感がある。アメリカもようやく景気が上向きになりつつあるがまだ予断は許せない。アメリカの次は中国かもしれない。これからの日本は内需拡大といっても安定した貿易黒字がなければ景気回復は望めまい。民主党は大企業への税控除を見直すというが、大企業も業績不振でリストラ等を行い対策を練るほどであった。企業への過度な締め付けは逆に雇用を圧迫し、再び海外への工場移転もありうる。そうなれば大企業の下請けである中小企業にも更なるしわ寄せが来よう。やはりバランスのとれた税対策を民主党は行わなければならないであろう。期待できるのは官僚におんぶにだっこだったシステムをいかに改善できるかであろうが、官僚なしで政策を進めるのも困難であるから歩み寄りと妥協は出てくるやも知れない。うまく操舵をとってもらいたいものである。高速道路無料に関しても維持費の捻出、メンテナンスの低下防止等、問題はこれから出てくるだろう。実際の予算をすべて税金というわけにはいかないかもしれない。道路に大切なのは安全な運行である。これを根幹に予算を組み立ててほしい。民主党が与党になって期待もあるが、不安も多い。何しろ初めて与党になったのだ。不安があるのは当然である。景気回復、少子化問題、年金制度の改善、自衛隊の派兵問題等、課題は山積みである。すべてがうまくできるとは思えない。また過度の期待はしない方がよかろう。問題は民主党の政策が空回りしたときマスコミがどのように報道するかである。新進党のときのように与党になったとたんに手のひらを返したが如く批判をするであろう。それに迎合する国民であればまた今回のような選挙になるかもしれない。マスコミの垂れ流し的な、また意図的な報道に流されることなく良い法案と悪い法案を見分ける目を持つべきであろう。強行採決といわれた今の与党も細かい法案は多数通している。そのすべてが悪法ではない。その点も留意すべきであろう。欠点ばかりをクローズアップするのがマスコミの常套手段である。せっかく2大政党の歩みが始まろうとしているところに国民がマスコミの情報ばかりを鵜呑みにしては公平さを欠く結果になろう。今回の与党惨敗は4年後の民主の姿かもしれない。自・公連立政権も民主党も完璧な政策は不可能である。成功もあれば失敗もある。良い法案だと思ってしたことも逆の結果にならないと誰がいえよう。情報化社会であるからこそ、国民一人一人が取捨選択する目を養わなければなるまい。