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カテゴリ:医療全般
4月は人の入れ替わりがあってバタバタします。うちの病院の産婦人科ではベテラン医師が1人抜け研修を終了した若い医師が入ってきました。戦力的には落ちるわけで、最初はあれこれ教えるのに大変でしたが、幸い優秀なヤツで仕事を憶えるのが早くて助かります。ベテラン医師には頼みにくかった細々とした仕事もやってくれるので、甘えて都合良く使ったりもしています。このへんはギブアンドテイクですね。
ここ数年の傾向ですが、若い医師はかなり慎重に患者を診ていると思います。割りばし事件などの影響もあるのかもしれませんが、上に立つ医者としてはありがたいと思っています。慎重ゆえに再々アドバイスを求めて呼ばれるわけですが、重大なことを見逃すよりはずっといいですし、「こいつは何かあったら確実にSOSを出してくれるヤツやな」とわかれば、安心して当直などもまかせることができます。 不確定要素が多い医療の世界では、慎重すぎるぐらいでちょうどいい。慎重になるべき所とそうでない所がわかり、緩急がつけられるようになるのはやっぱり10年程度の経験が必要でしょうか。 医師不足が叫ばれていますが、医師はどうしたって促成栽培できません。ましてや医師が足りないから研修医制度を2年間から1年に短縮して市場に早く出荷しようというのはかなり拙速な考え方という気がします。今の研修医制度の問題点は、期間ではなく中身です。中身が全く不十分なまま期間まで短くしようというのですから、何をか言わんやですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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