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カテゴリ:医療全般
新型インフルエンザが拡がっている。
我々医師とても充分な情報が入ってこないため翻弄されている面があるが、とにかもかくにもワクチンが流通しだした。 充分な数が無いとか、優先順をどうするかとか問題はあるが、行政の対応としてはギリギリ頑張っているといっていいのではないだろうか? ただマスコミの扇動的な報道は困る。国内の新型インフルエンザによる死者数は確かまだ100例を超えていなかったと思うが、死者の絶対数を強調するような報道はいたずらに不安を煽るだけだろう。 感染者の母数の多さからすると、従来の季節型インフルエンザによる死亡率よりも高いと言うことは無さそうだ。むしろ低いぐらいではないだろうか。毎年の季節型インフルエンザで死亡する人は国内で1000人を下らなかったはずだ。 また、妊婦では重症化しやすいなどと報道されているが、これも従来から言われていることで、何も新型に限ったことではない。 インフルエンザワクチンは不活化ワクチンであり、生きたウィルスを接種するわけではない。妊娠中に接種しても何の問題も無い。 しかし昨年まではインフルエンザワクチンを希望する妊婦はそれほど多くなかった。何か胎児に影響があると思いこんでいる人が多く、我々が説明しても聞いてもらえず、「希望されないならご自由に」という立場だった。 しかしテレビの威力は大きい。新型のワクチンは接種開始前からすでに予約終了、せめて季節型の予防だけでもと季節型インフルエンザワクチンの接種を希望する妊婦が去年の倍ぐらいる。 ちょっと騒ぎすぎという感じもするが、ワクチンに対する拒否感が無くなったのはよかったかもしれない。 それにしても、我々の言うことよりもテレビの言うことの方が説得力があるというのもちょっと寂しい気はするが。 それと、新型ワクチンの予約にあぶれた人が電話口で「かかったらどうしてくれるんや?」みたいなことを言うのもやめてほしいものだ。かかったら速やかにタミフルなりリレンザで治療したらいいだけの話である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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