|
カテゴリ:医療全般
こうしてブログなんかをやっていながら言うのもなんだけど、なんでもIT化、デジタル化には反対。その中でも電子カルテなどは愚の骨頂だろう。
先日ある患者さんを医大の付属病院に搬送したときに、ドクターが電子カルテ相手に悪戦苦闘しているのを見た。 「救急で搬送してきたんやから、そんなとこで時間を取るなよ~」と思いながら。 ソフトにもよるのだろうが、そこの電子カルテは患者の食事の初期設定を全て済まさないと次の画面に移れないらしい。救急車で来たのに「朝食はご飯かパンかどっちがいいですか?」とか「飲み物は牛乳かオレンジジュースかヨーグルトが選べますけど」とか、どうでもええやんけそんなの! 電子カルテを導入している病院は年々増えている。厚労省も推進しているようだ。 しかし導入した病院の医師からは、不満の声しか聞かない。 結局医師が行う入力作業が大変なのだ。ただでさえ医師不足といわれているのに、これ以上いらん仕事増やしてどないすんねん。 薬、会計、レセプトなども医師の入力を元に自動的に発生していくので、事務関係は確かに省力化できる。しかし肝腎の診察業務をこの上なく圧迫しているのである。単位時間当たりに診察できる患者数は、電子カルテ導入後6~7割程度に減少したと訴える医師が多い。もし導入するのなら、入力専門のクラークを置くべきだという意見は昔からあるが、どこも経済的に苦しいから実現化している病院は少ない。少なくとも自分の知る限りまだそんな病院は無い。(そりゃ単に入力専門と言ったって、医学用語が理解できていないといけないから、ある程度の教育も必要だし、そのへんのおねえちゃんをひょいと雇って「さあ、やってちょうだい」とはいかない。) 結果として患者が病院の玄関をくぐってから帰るまでのトータルの必要時間は、以前と変わらないかもしくは逆に長くなっている病院が多い。一体誰のための電子カルテなんだろうね。 さらに困るのは、入力ミスによる医療事故。薬剤名が50音順に並んでポップアップリストに出てきたとき、となりの薬をクリックしてしまうといったミスが多数報告されている。サクシゾンと間違えてサクシンを処方したために患者が死亡した事件は有名である。その他にも紛らわしい薬剤名はいっぱいある。自分で書いてりゃ間違うはずもないけどね。 普段パソコンで文章をうっていると、ディスプレイを眺めているときには中々気がつかない誤字や脱字に、プリントアウトしたとたん気がつくという経験をしている人は多いと思う。電子化によって従来考えられなかったミスが発生するのはそのへんのところにも一因があるだろう。 電子カルテを導入している病院を見る度に、うちはやめとこうって思うね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[医療全般] カテゴリの最新記事
|