神学の領域
西欧における神学の領域では、信仰と理性は、聖トマス・アクィナス(一二七四年没)やアルベルトウス・マグヌス(一二八〇年没)のような神学者の力で、決定的に和解させられました。アクィナスの『神学大全』は、信仰と道徳に関する彪大な数の疑問に対して権威ある意見と、注意深く考えられた答えを列記しています。彼の著書は、まもなくキリスト教教義の、なかば公の説明として認められました。このようにして、アリストテレス論理学と、アリストテレスの結論のあるものは、キリスト教の真理を是認する仕事にたくみに利用されたが、この際守られた一般原理は、信仰と理性は互いに矛盾しあうことはないけれども、神学的真理には、理性ひとりの力では達し得ず、したがって神の啓示によって人類に分かち与えられねばならぬ、という考え方でした。