ルクレティウス
ルクレティウス(ラテン語: Titus Lucretius Carus, 紀元前99年頃 - 紀元前55年)は、 共和政ローマ期の詩人・哲学者で エピクロスの思想の宇宙論を詩の形式で 『事物の本性について』として著し(前99年~前59年)、 その中で「自然の先ず第一の原理は、 次の点からわれわれは始めることとしよう。 即ち、何ものも神的な力によって 無から生ずることは絶対にない、という点である。 …そのわけは、よし仮りに無から物が生ずるとしたならば、 あらゆる物からあらゆる種類が生じるであろうし、 種子を必要とするものは、全く何もないであろうからである。 まず、海から人類が、 大地からウロコを持つ魚族が生じ得るかも知れないし、 天空からは鳥類が忽然として出現し得るかも知れないし、 牧畜その他の家畜や、野獣のあらゆる種類は、 何処から生まれたともわからず、耕地と荒野とを問わず、 一面に充満するであろう」とのべました。 そして説明の付かない自然現象を見て恐怖を感じ、 そこに神々の干渉を見ることから人間の不幸が始まったと論じ、 死によってすべては消滅するとの立場から、 死後の罰への恐怖から人間を解き放とうとしたと解説しました。