詐欺にあう
実家で泊まった次の朝近所のどこかで拡声器を使って誰かが何かを叫んでいると同時にうちの犬が吠えていた。お風呂からあがって何事かと見に行くと実家へと通じる道端でエプロンをかけた一人の男が何やら売っているようにも見え商品を紹介しているようにも見え顔見知りである近所のおばさま、おじ様達の手には花模様の紙袋が各自ぶらさがっていた。こすい私は「何かがもらえる!」と信じ近所の人が私を手招きしてくれないかと思いながら抜き足、差し足、忍び足、で徐々に徐々に男の背後から近づいて行った。すると、プランターとハンガーと水なしでも魚が焼けるという代物をもらったのだが話によると10時15分になったら更に、もっといい物がもらえるからどこそこへ集まってくださいと言うものだった。来てくれた男性には4枚刃のカミソリがもらえるからと寝ている旦那・豊を起こし丁度、会社から気なしに戻った父も連れて我が家からは4人でその集合場所に集まった。連れて行かれた所は近所でよく知っている農家の家の車庫で近所の人達が座れるようにとじゅうたんの上にゴザが敷かれその会社の従業員達に促されるようにそこへ来た殆どの人達と私達親子4人は見事にそこへ座ってしまったのである。前方には果物ピーラーや凍らせて使うお皿自由自在な料理が作れるタッパー?などなど買うには惜しいタダでもらえたらうれしいかもしれない品物がズラリと並びしかもそれが全て来た人達にあげますよ!と言った感じであった。そこへ座った近所の人達含め私達は目の前にニンジンをぶら下げられた馬のようであり餌を目の前に置かれたまま、何十分もお座りをさせられたままの腹を空かせた獰猛犬のように私達は目の前に並べられた商品の全てくれるのを今か今かと思いながら今朝、東京から新幹線でやってきましたというキザったらしい部長さんの話を聞いていた。話によると今度12月に運動場の近くに店を開くためのPRと日○文化センターとどこそこの商品はそこの会社が卸していると言った信用性と通信販売もしているのだという話から「話の最後に布団を売ると言ったことはありません」という話から始まった。話の途中途中に「わかった人は手を上げて!」と私達は目の前にある商品をもらう為にその部長の言うがままに手を上げ発言をし、話をきいているうちに2時間が経った・・・・--;そして、頭痛持ちの人夜尿症の人、関節痛の人のためにアフリカで取れる「ゲルマニウム石」を使ったシーツをわが社は開発したという話に変わっていき真珠くらいの大きさに丸められたその「ゲルマニウム」を配り「これをずっと握っていると汗ばんできます。必ず返してくださいね。1粒6,500円ですから~」と渡された。5粒程のゲルマニウムは確かに手のひらで暖かく感じ私たちは言われるがままにそれをぎゅっと握り締めそのまま話を聞いていた。そして、それを商品化したシーツの小型版を関節痛の人達に巻いてくれたのだが私の両親各ともひざや腕に巻いて「あったけぇや」と感動をしていたのである。で、でてきました。シーツ。1枚、なんと、238,000円!!!買う人いるんかいなと思っていたらいました。なんと、4人!!!で、買わない人達はというととっとと追い出されていまいましたよ。もれなくもらえると思っていた目の前にズラリと並べられた商品はもらわずに!!!!!目の前に並べられた商品は部長の話に乗ってきた人に部長自らいろんな商品をその人に投げたりしていたのだが全部くれるんじゃなかったのか????しかも、しかも事前に報告されていた男性にくれるはずの4枚刃のカミソリさえでてくることはなく、結局、引っ付かない包丁貯金箱ご飯がつかないしゃもじなどどうでもいいような物ばかりが手元に残った。あ!!!返すの忘れていました!というより、返さずに密かにずっと持っていたゲルマニウム石を持ち帰ってきました。これについては親子で「いひひ♪」とほくそ微笑んでいたのだがしばらく机の上に置いていたその石、再び触ってみると見事に冷たかったのである。あの、渡された時の暖かさはきっと裏で事前に温められた物であり、患部にあてられたシーツの小型版も事前に暖められたものでありだから、それがバレないようにゲルマニウム石は返してくださいと伝えていたのだ。そして、クーリングオフされないように事前に「クーリングオフを3回やるとブラックリストに載りますよ~」と私たち庶民に教えそして、「このシーツは3週間くらい使って効果がでてきます!」そして、「ご夫婦の方は1ヵ月ごと交代で使ってもいいかもしれません!」と、クーリングオフをされないように私達を催眠していたのだ。近所の人の良さそうなばあちゃんがシーツを買っていた・・・旦那もそのばあちゃんが騙されてしまったことに心を痛めていたが後に会ったので話を聞いてみた。従業員がシーツと目の前に並んだ全商品となんと、契約書を家まで持ってきてくれたというのだ。そのとき、息子がやんわりとやんわりと今買わなくとも店がオープンしてから買いに行ってもいいんじゃないの?とお断り申し上げたというのだった。人の良さそうなばあちゃん、騙されなくてよかったけど少なくとも、あと3人はこの催眠商法の餌食になってしまったのである。こういう輩がこんな田舎にも現れるようになってしまったのですね。ああ、無念。