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おかしな本が好きです……
「またまたへんないきもの」 なんだかな~~何でこういう本を見るとつい買っちゃうかな~~。 以前にも「フューチャーイズワイルド」なんて、やっぱりミョーな生物をまとめた本を嬉々として紹介していたし。 「へんないきもの」 これらの本は、実際に地球上にいる生物を紹介したもので、ふつうなら動物奇想天外的な動物科学に充ち満ちた一冊なんだろう。 ところが、この著者の早川いくをという人はそれだけじゃないのだ。 たとえば、上の一冊。オレンジの表紙のほうですよ、「生きている」の文字の横になんだかごっつい生物が写っていますね。 これはバットフィッシュという昔々アンコウだった魚なんだそうだ。 その説明文がふるっている。(思いっきり著作権にふれるけど、全文抜粋) 人も魚も鼻毛は無視 バットフィッシュ 笑顔で振り向いた恋人の鼻から鼻毛が1本、しかもその先にはハナクソが。こんな時あなたならどうしますか。何事もないかのようにやり過ごしますか。それとも説教をかましますか。 鼻先の疑似餌を自在に操り、獲物を誘って狩るバットフィッシュ。 こう書くと格好も良いが、疑似餌の出来はというと、太めの鼻毛に付着したハナクソにしか見えず、実にずさんだ。それもそのはず、この疑似餌はその昔アンコウだった頃の名残であり、人間で言えば盲腸のようなもの、くその役にもたちはしない。だが何を勘違いしているのか、たまにこの疑似餌をピロリと出してみたりする。当然周りの小魚は全く無視。そんな甘い考えで良いのか?自然界は厳しいのではないのか?魚類相手に本気で説教したくなってくる。 厚化粧マダム唇に無精ひげの取り合わせもさりながら、泳ぎもせず大儀そうに海底を歩く様に魚類特有の俊敏さは、ない。手ですくえばあっさり捕まるとんまさに、ある研究者は毒の防御に自信があるのだと考え、よせばいいのに舐めてみたが単に不味いだけであった。生き馬の目を抜く動物界においてこれほどやる気のない生物がなぜ安穏と生きていられるのか、自然界の不思議である。 バットフィッシュの仲間は日本ではフウリュウウオとも呼ばれる。このとんま魚を風流などと呼べるなら、福岡の尻振り祭りだの、愛知のウジ虫祭りだのといったとんまな祭りも典雅な祭礼とも呼べよう。21世紀の今日、先進国であるはずの我が国にこのような「とんまつり」が営々と営まれているのはどうしたわけか。人間界の不思議である。 全部の生物の紹介が全てこの調子。 この人は文章で乱暴狼藉を働いているのだろうか? 「またまた…」の方には今回カラーポスターも付いている。 そこには海底でにらみ合うアンボイナとタガヤサンミナシという巻き貝が。 アンボイナ 魚を隠密攻撃する巻き貝 (特技)地獄へ道連れ タガヤサンミナシ 毒害をも打ち倒す貝ハンター (特技)デスラー砲 ………デスラー砲って何でじゃ。 何でこういう註を付けるかなあ。 たまに、いや、頻繁にスケベなコメントも付いていて、子供には読ませられないし。 でもおふざけだけの著者かというととんでも無い。 巻末の参考文献は膨大で、よく調べてかかれているのがよく分かる。 また、自然界を取り巻く人間による環境破壊についても辛辣で、 ただ軽いだけの、おもしろいだけの本ではないのだ。 私は芋虫系の生物が大の苦手なので、 白黒とは言えナマコやウミウシなどの生物がリアルに描かれたイラストは そっと隠して読んでいたが、 そういうのが好きな方はお薦めの一冊である。 (いないって、そんな人) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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