|
テーマ:愛しき人へ(903)
カテゴリ:夫へのラブレター
……大変ご無沙汰しております。
はい、いつものように寝ておりました。ええ。毎晩。 さて、今日はご報告をしたくて夜更かしモードに入りました。 今日、埼玉県の各市町村では公立中学校の卒業式が行われていました。 私の勤務校ももちろん、だったのですが、今日は年休を頂いて、1年9ヶ月前に亡くなった夫かっちゃんの中学校の卒業式に参列してまいりました。 1月にスキー教室の代休を利用して、かっちゃんの勤務校だったJ中学校に挨拶に出向き、卒業式への参列をお願いしてきてありました。 厚かましいお願いだとは思ったけれど、以前、ここでこのことを話題にしたときにりうりう姐さんが背中を押してくれていたことが勇気になっていたので。 もちろん勤務校の卒業式も在校生の送辞と在校生の群読を指導してきた手前、激しく気にはなるけれど、でも!でもでもでも!!! 体育館に入って、生徒席の両脇に広がる保護者席の一番後ろに座りました。 真後ろを通って、卒業生入場。それを首をねじ曲げて食い入るように見届けて、続く卒業証書授与では最初っから泣きっぱなしでした。 かっちゃんが大事にしていた生徒たち、私が見たのはかっちゃんの亡くなった年だけでした。 彼らは当時2年生。…あれから1年9ヶ月。 まあ、分かってはいたことですが、なんて大きくなったんでしょう。 中には何となくぼんやり顔を覚えている子もいて。 この子たちはかっちゃんがかわいがった子たち。 かっちゃんがこの子らの卒業まで異動したくないと言っていた子たち。 私にとっては、告別式の出棺で号泣しながら合唱で見送ってくれた子たち。 保護者席で私の前に座っていたお母さんが二人、私が座るときに「K先生の……奥さん……ぼそぼそ」とつぶやいているのが耳に入りました。足下には大きな花束。 私が来ることは式の終了まで秘密のはず。「?」単なるうわさ話かな? と思っていたら、式の途中。 くるりと振り返ったそのお母さん、「K先生の奥様ですよね?」 「!?」 「来て頂いてありがとうございます。これ(大きな花束を渡して)、こんなところでなんなんですが、保護者一同からです。」 「え?え?な、なんで分かったんですか………????」 イヤ、たっぷり2・3分は固まりましたね。 そのお母さんたちにお礼も言えないまま、本当に固まっていました。 両隣に花束の端が触れているのにも気づかずに。 固まりが徐々にほどけていくウチに、卒業生による答辞と合唱が始まりました。 賢そうな女子が代表で、答辞を読み上げていく最後。 「そして、K先生。k先生にとって私たちは最後の生徒となってしまいました。今もきっと私たちが大好きだったあの笑顔で私たちを見守っていてくれると思います。これからも先生のことを忘れません。」 名前が出た途端、泣き出す女子生徒たちがちらほら。 かっちゃんは本当に慕われていたんだな。 この子たちはその気持ちを大事にしたままちゃんと乗り越えてくれたんだな。 私がここに来ていることは、どうしてか分からないけどどうも保護者には知られているらしい。 なら、知ってる生徒もいるはずだ。 だったら、こそこそ隠れてないで最後にきちんと奥さんとして名代を務めてやろうじゃないか。 決心。 卒業生退場。保護者席でただ一人立ち上がって、小さな遺影をおなかの辺りまで持ち上げて、深々と礼をしながら見送りました。 緊張して私と遺影に気づかなかった子もいましたが、何人かははっとした表情で会釈。 通り過ぎていきました。 黒っぽいスーツが多い中で、白のアンサンブルの私は多分恐ろしいほど目立ったことでしょう。 それを考えると顔から火が出そうだけど、でも、この子たちとここの保護者には、かっちゃんが今日ここに来ていたこと、私がこの学校の想いを受け止めていたことを伝えたかったんです。 あとでPTA会長が来てくれて、お祝いを言ってお礼を伝えました。 そのあと職員室で、学年主任が前々日に会長や周囲の保護者に私が来ることを伝えていたことをききました。そしたら、お花を、ということになったらしい。 卒業は子供にも教師にも親にもそれぞれの感慨があるものだけど、私のようなケースもあるんだなあ、なんてしみじみしてしまいました。 いろいろな想いはあるけれど、私にとっても今日は一つの節目。 かっちゃんの教師としての区切り目を果たしてあげられた、という想いです。 卒業おめでとう。 そして、たくさんの情をありがとう。 素晴らしい卒業式でした。 晴れ晴れと、また涙。泣きすぎて目が痛い……。 そして思う。 私はやっぱりかっちゃんと結婚してよかったって。 かっちゃんがいたから、私は教師として立ち位置を直すことが出来た。 かっちゃんがいたから、可愛い我が子と出会えた。 かっちゃんがいたから、こんな深い人情と人とのつながりを知ることが出来た。 別れはあまりにも突然で早くて残酷だったけれど、それでもあなたと結婚しなければ良かったとはどうしても思えない。 こんなふうに思える人と結婚できて、やっぱり良かったんだって。 それでいいじゃん!! また明日から仕事頑張るさ! 来年度3年担任、ほぼ確定の我が身を嘆きつつ!さ! 私が指導していた中学校の方の在校生送辞(&群読)も大成功だったと、同僚からメールが入ってました。 こっちも一安心。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[夫へのラブレター] カテゴリの最新記事
|