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カテゴリ:生き方
ベストセラーとなった「バッテリー」でお馴染みの作家、
あさのあつこさんをご存じでしょうか? <ご参考> あさのあつこ http://www.kadokawa.co.jp/battery/ あさのさんには息子さんが二人いて、 彼らが7歳前後の頃のエピソードについて、 こんな事を書かれています。 ある日のこと、 飼っていた猫が車にひかれて死んでしまいました。 動かなくなった猫を抱きかかえて、 一言こうつぶやいた二男。 「ちくしょう...」。 長男はと言えば、 あまりのショックに食事ができないほど落ち込み、 部屋に閉じこもってただ泣くばかりでした。 お兄さんの落胆振りとは裏腹に、 二男はまったく泣きませんでした。 「平気なの?」 と、声をかけてみたけれど、 全く何も答えない二男に、 「冷たい子だなぁ」 と、あさのさんは感じたそうです。 ところが、しばらくして、 猫を息子たちの手で庭の一角に埋めようと、 あさのさんが猫を二男に渡したその時、 彼が再び言い放った言葉が先ほどの「ちくしょう...」。 あさのさんは、その時の事を、 こう書いています。 ***** 「泣くことすらできないほどの悲しみや喪失感。 そんな心の深いところにあるものをくみ取れず、 表面的なことだけで二男を『冷たい』と判断した自分を すごく反省した」。 ***** あさのさんは児童文学者ですから、 子どもたちに関することでは 専門知識があるように思われていますが、 あさのさんご自身は、 「親としてはダメな方だ」 と自覚されているとのことです。 一例として、 ある日の保護者会での出来事が紹介されていました。 あさのさんの娘さんが小学校6年の時に クラス内が荒れたことがあって、 保護者会でその話題が出ました。 会の後、あさのさんは娘さんに対して、 「勉強しないと将来困るのはあなたたちよ」 と言ったところ、 娘さんからは次のような言葉が返ってきたそうです。 「お母さんはものを書く人でしょ。 よそのおばさんと同じこと言って恥ずかしくないの?」 あさのさんにとって、 この言葉はフイを突かれるものだったようです。 あさのさんの言葉。 ***** 「娘たちにも言い分がある。 それを聞こうともせず、 大人の論理を押しつけるのは物書きとしてどうなのか、 そう言いたかったのだろう」。 ***** こうした子育てを通して、 あさのさん自身、 それまでとは価値観が変わって来たようで、 つまり、 「学校は偏差値が高い方がいい」、 「何でも素早くできる人が偉い」、 とは思わなくなったそうです。 今では子どもたちも独立し、 今度は子どもたちがそれぞれ親になる番。 彼ら彼女らには、 「子育ての一瞬一瞬を楽しんで欲しい」と、 そんなエールを子どもたちに送っています。 <ご参考> 熱い思いは伝わりにくい -表面だけでは人の心はわからない- http://www.nbn.ne.jp/bellnet/pta/kusunoki/h19/atuiomoiha.htm お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年06月21日 13時24分57秒
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