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2008年12月30日
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カテゴリ:生き方
これは、ニューヨークのある大学病院で、ある医師が体験した実話です。

小児科病棟にナンシーという名の小さな女の子が入院して来ました。
ナンシーは3歳になっていたのですが、身体が生後1歳半程度の大きさにしか、成長していませんでした。

本来なら可愛い盛りであるはずなのに、やせ細って、まるで「猿の干物」のような痛々しい姿でした。

病院の医師たちは、何か成長出来ない原因があるとみて、様々な検査をしましたが、異常は全く見当たらず、病気というわけではありませんでした。

色々様々な手段を講じましたが、ナンシーは少しも成長しないばかりか、声を出す元気すらありません。

入院して3ヶ月経った頃、看護師の一人が主治医に、「ナンシーの家族が一度も面会に来ていません」、と告げました。

そこで、すぐにナンシーの両親に呼び出しを掛けました。
ところが、ナンシーの両親は、一向に病院に現れませんでした。

主治医は堪り兼ねて、入院時に書き込まれ提出されていた書類を元に、住所を探し訪ねて行くと、ナンシーの両親と見られる若い女性がドアを開けました。

しかし、「ちょっと待って下さい」と言うなり、主治医の顔も見ず、奧に姿を消してしまいました。

主治医は居間に通されはしたものの、そのまま放っておかれました。

書斎では、ナンシーの両親であるらしい男性と女性が、パソコンの画面に向かって、必死な形相で論文か何かを打ち込んでいます。

かなりの時間が経ちました。

母親とおぼしきその女性がやっとキーボードを打つ手を止め、医師の方にやって来ました。

父親はコンピューターの画面に向かったまま、訪問者である医師の方に視線を向けようともせず、ただひたすら、画面の作業に没頭していました。

「あの子は必要なかった。子供はまだ欲しくなかったんです。」

母親は口を開くと、真っ先にこう言い放ちました。

聞けば、この両親は、世界的に有名なビジネス・スクールの最終学年に在籍しているとの事。

このスクールでは、毎年多くの優れた経営者を輩出し、またその授業内容の厳しさでも有名でした。

「今書いている論文に、自分たちの将来が、明るい未来が、かかっているんです。だから必死で書いているんです」

母親はやつれ切った表情で言いました。

「だから欲しくなかったんです。でも、勉強が忙しくって、堕ろせなかったんです。あの子は、こんな忙しい時に生まれて来て、厄介な子なんです」

「兎に角、論文さえ済んだら面倒を見ますから..」

そう言うと、母親は、追い立てるように、医師をドアに導きました。

その間、書斎で画面に向かっていた父親は、たった一度も、医師の方を見ようとも、話を聞こうともしませんでした。

ナンシーの主治医は黙って病院に戻りました。

次の日、主治医はナンシーを陽あたりのいい、人の行き交う廊下に移しました。
ベッドごと!

そして、そのベッドを置いた廊下の壁に大きな張り紙をしました。

『私はナンシーです。
あなたがここを通る時、もし急いでいるなら、ナンシー!と呼んで、微笑みかけてください。
もし、あなたに少し時間があるなら、ナンシーと呼びかけ私を抱き上げあやしてください。
もし、あなたにゆっくりと時間があるなら、ナンシーと呼んで私と一緒に遊んでください。私を抱き上げ、頬ずりし、あなたの胸や腕や声のぬくもりを私に伝えてください』

早速、ベッドの脇を通りかかる医師、看護師、患者さんたちがそれを実行し始めました。

ある人は、通りすがりに名前を呼んでにっこりと微笑みかけ、ある人は、立ち止まって頬ずりし、あやし、愛情いっぱい注ぎました。
また、ある人は、抱き上げ、自分の病室や庭のお散歩に連れ出しました。
誰もが時間をゆっくり取れても取れなくても、優しい言葉で温かい心を伝えていきました。

そうして、3ヶ月が経った頃、ナンシーの体重は正常な3歳児にほぼ近づき、可愛い笑顔を見せて笑い、言葉も急速に覚え始めました。

自分の事で精一杯な両親でも、ナンシーに対して食べ物だけは与えていました。

しかし、本当に人間を育てる「愛情」を与えていなかったのです。

病院の医師や看護師、入院患者、見舞い客たちは、「人間が人間として成長するために、最も大切な不可欠なもの」があるという事をナンシーを通して思い知らされました。

与えたはずの人たちが、逆にナンシーからそれを教えて貰っていました。

いいえ、与えて貰っていたのです。
最も大切なものを。





<モーニングセミナー新聞>

(18)人間は生かされている (h20.12/10発行)
http://nitte.heteml.jp/rinripdf/pdf/h20-12-10.pdf

(19)人を愛し、故郷を愛す (h20.12/17発行)
http://nitte.heteml.jp/rinripdf/pdf/h20-12-17.pdf

(20)柔軟に広く目を見開こう (h20.12/24発行)
http://nitte.heteml.jp/rinripdf/pdf/h20-12-24.pdf


A3 PDFファイルです。参考にして下さい。





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最終更新日  2008年12月31日 06時40分15秒
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