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カテゴリ:生き方
修行道の中でも最も過酷な行の一つである千日回峰行。
この行は、いったん入行したら、 途中で絶対に止めることは出来ないという 厳しい掟がある命がけの行。 千三百年の歴史の中で、満行されたのは僅か二人。 一日四十八キロの山道を十六時間で、 登ってその日のうちに帰ってくるという行を 今回やり遂げた塩沼亮潤さんに、質問が出ました。 「塩沼さん、どんな瞬間に喜びを感じました?」 想像を絶する千日の荒行ですから、 やり遂げた時は、さぞかし凄い歓喜だったのだろうと思っていると、 塩沼さんの回答は違いました。 その答えとは。 「山の中では、日々の一歩一歩に喜びを感じました。 東の空から陽が昇り、西の空に沈んで行く。 雨が天から地へ降り注ぐ。 春夏秋冬と巡る季節の中で、 自己のありのままの姿や小さな自分が見えて来るのです。 大自然の中では、人は雨を降らすことも、 そよ風を吹かすことすら出来ない。 『あぁ、生かされているのだなぁ』と実感出来た時、 感謝の涙が流れて来ました。 土砂降りの雨の中で、おにぎりを食べていたら、 雨で米粒が手から流れました。 一粒一粒を啜るように食べていた時、 なんて自分は幸せなんだろう。 この瞬間にも地球上では食べられなくて亡くなっていく人がいる。 自分の心を磨くという尊い仕事をさせて貰って、 なんて幸せなんだろうと、涙が出て来ました。」 <ご参考> 峰廻路伝 -回り道のように見えても- http://nitte.heteml.jp/essay/h18/houkairo.htm お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年06月22日 03時56分58秒
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