黒柴とパトカーは、黒と白の塗り分け方が逆だ。 他県のパトカーが町を巡回し、応援の警官が交通整理してくれている。 覚えている限りの県名を挙げてみたが、もっとある筈
カロ、黒柴♀2才11ヶ月の頃 2011年6月11日18時4分 〔安比高原〕震災直後から各県の警察が、応援のためこちらに駆けつけ、パトロールしてくれています。まだ津波の痕跡が生々しい街で、最初に見かけたのが新潟県警察のパトカーで、助手席に座った若い警官が歩道を散歩するカロをじーっと見つめていました。彼の目には、カロがどんなふうに映っていたのでしょう。ほどなくして、パトカーのボディに書かれた神奈川県の字もよく見るようになりました。それから1~2ヶ月して、鳥取や山口にバトンタッチしたようで、香川や徳島も一、二度見た覚えがあります。その後は広島と福岡の県警が、ずっと信号機の壊れた交差点の交通整理をしてくれていていました。どうやら、関東甲信越と、それより西の県、そして九州の3ブロックの中で それぞれ分担を決めて、引継ぎのために時期をずらしながら、2ヶ月単位で応援を出してくれているようです。やがて鹿児島にバトンが渡ったところで一巡したようで、今はまた神奈川県警察が交通整理してくれています。カロを連れて横断歩道を渡りながら、感謝の意も込めて挨拶の声を掛けるのですが、相手は笛をくわえて手信号に忙しいので、返事がなかったり、どの人もけっこう素っ気無いんです。考えてみたら、気安く声かけるものじゃないのです。車が両脇を擦り抜けて行く道の真ん中で、その流れをコントロールしてるのだから、のんきな仕事じゃないのでした。あ、でも、道を渡るタイミングを待つ間、横断歩道の渡り口に置いてある巾着袋を、カロがクンクン嗅いでいるのをチラリ見て苦笑いしている警官がいましたっけ。彼の大事な物が入っていたんでしょう。仕事道具か、飲み物か、あるいは弁当とか…