☆麒麟の翼 ( 講談社 2011.3.8 第1刷発行 )
日本橋の中ほどに置かれた翼を持つ麒麟像の台座にもたれかかっている男性を、交番の巡査が発見した。
男性の胸には深々とナイフが刺さっていた。
当初は怨恨と物取りによる殺人事件かと見られたが、加賀の丹念な聞き込みにより被害者が水天宮はじめ日本橋界隈の七福神に千羽鶴を奉納して回っていた事が判明。水天宮は安産祈願の他に水難除けのご利益があることから、事件は意外な方向に進展した。
三年前、当時 中学生だった被害者の息子が所属していた水泳部のプールで、一人の生徒が沈んでいるのが発見され、生命は助かったものの未だに意識が無く眠り続けている。顧問の証言により当時は単なる事故とされたが、被害者の息子を含む三人の男子生徒が関わっていた。大学受験を控え事件の発覚を恐れた三人のうちの一人が飛び込み自殺を図ろうとした・・・。
加賀恭一郎、松宮修平の従兄弟コンビが登場する刑事ものシリーズで、以前読んだ「赤い指」の続編。