カテゴリ:本
☆宿命・東野圭吾☆ ・講談社文庫、1993年7月15日 第1刷発行 ・講談社ノベルズ、1990年6月 ♣︎和倉勇作 島津警察署、巡査部長 医者を目指すも、家庭の事情で大学進学を断念。父と同じ、警察官の道を選ぶ。 ♣︎瓜生晃彦 UR電産社長、瓜生直明の長男。統和医科大脳神経科助手。 ☆あらすじ 勇作が住む町の丘の上に、子供達がレンガ病院と呼ぶレンガ造りの大きな病院があった。 病院の広い庭をいつも散歩しているサナエと言う患者がいて、勇作が病院の庭で遊んでいると、そばにいて、草抜きをしたり、花に水をやったりしていた。遊び疲れて休んでいると、おやつを持って来てくれたり、異国の歌を歌ってくれた。勇作はサナエといると、なぜか穏やかな気持ちになれた。勇作が小学校に上がる前の年の秋、そのサナエが窓から転落して死んだ・・・。 勇作の父はサナエの事件を調査していたが、ある日訪ねて来た身なりのきちんとした紳士と長い間話したあと、ぷっつり捜査をやめた。父は勇作を墓参りに連れて行き、その立派な墓がサナエの墓だと教えた。 入学の直前、一人で病院の庭を歩いていた勇作は、同じ年くらいの男の子と出会った。二人はしばらくお互いに睨み合っていたが、まもなく彼は呼びに来た和服姿の女性と共に、お迎えの車に乗り去って行った。 少年の名は瓜生晃彦といい、UR興産の二代目社長の長男だった。 間もなく同じ小学校に入学した二人は、お互いを強烈に意識し合うライパルとなり、その関係は高校まで続いた。医者になりたくて医学部を目指した勇作だったが、父が倒れ受験を断念。父親と同じ警察官となった。 年月が流れ、瓜生興産の三代目社長須貝忠清がボーガンで殺害されると言う事件が発生。10年振りに出会った晃彦は、勇作の初恋の相手だった美佐子の夫となっており、奇しくも警察官と殺人事件の容疑者として対決することとなった。 サナエ、美佐子の父、UR興産の初代社長和晃、そして晃彦と父親の瓜生直明、レンガ病院・・・。必ず、過去に彼らを繋ぐ「糸」が有ると考えた勇作は、独自に調査を進めていた。やがて、昭和16年に出来た「国立諏訪療養所」で進められていた「電脳式心動操作方法の研究」に、当時瓜生工業と言ったUR興産の初代社長、レンガ病院の上原院長が関わっていたことが判明した。 そして、実験台として雇われた貧しい若者10名の中に、美佐子の父とサナエの名も有った・・・。 まもなく、須貝忠清を殺害した犯人が自供、事件は解決した。 晃彦から呼び出され、瓜生家の墓に出向いた勇作を待っていたのは、二人はサナエが産んだ二卵性双生児だったと言う衝撃の事実だった・・・。 東野圭吾 1985年、江戸川乱歩賞を受賞した「放課後」でデビュー。(当時27才) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.05.27 19:17:05
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