カテゴリ:本
☆神も仏もありませぬ・佐野洋子 ・発行所:筑摩書房 ・2003年11月15日 第1刷発行 ・エッセイ集 ーこれはペテンか?ー 88歳の痴呆の人が聞く。「あの失礼ですけどお幾つでいらっしゃいますか」。痴呆でも「失礼ですけど」というんだと感心しながら「はい63ですよ」と答える。答えても無駄なんだよなと思ったとたん、「あの失礼ですけどお幾つでいらっしゃいますか」「63です」「あーあー63、そうですか、あの失礼ですけどお幾つ?」。自分で何回も「63」「63」と発音するのにくたびれて「お母さん、わたしゃ63だよう」とすごんだ声になる。 自分の歳を聞かれて「4歳くらいかしら」と答える、確執があったお母さんとの思い出から始まる、佐野洋子さんのエッセイ集。 「これはペテンか?」に続いて、「ありがたい」「今日でなくてもいい」「虹を見ながら死ね」「声は腹から出せ」「フツーに死ぬ」「そういう事か」「それは、それはね」など、近隣の人々との交流や北軽井沢での暮らしを書いた全18編。 ☆佐野洋子さん(1938.3.6~2010.11.5)72歳没。 絵本作家、エッセイスト 1938年、中国・北京生まれ。武蔵野美大デザイン科卒。1967〜68年にかけてベルリン造形大学でリトグラフを学ぶ。帰国後は、デザイン、イラストレーションの仕事を経て、『やぎさんのひっこし』で絵本デビュー。2008年紫綬褒章受章。 代表作『100万回生きたねこ』(1977年/講談社)は、子供から大人まで親しめる図書として、178万部のベストセラーとなる。主な著作に『おじさんのかさ』『わたしのぼうし』『ねえ とうさん』。 エッセイに『ふつうがえらい』『覚えていない』『シズコさん』など。 最後のエッセイのタイトル『死ぬ気まんまん』 ☆読後感 全くの予備知識なしで読み始めました。 波乱万丈の人生だったであろう作者の、歯に絹着せぬ小気味良い文章は、読んでいて痛快でした。 また、読んでみたい作者です。 ☆☆☆☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.08.14 16:29:20
コメント(0) | コメントを書く
[本] カテゴリの最新記事
|
|