カテゴリ:本
☆ブラックペアン1988・海堂尊 ・発行所 講談社 ・2007年9月20日 初版発行 海堂尊 1961年、千葉県生まれ。 2005年、「チームバチスタの栄光」で、第7回『このミステリーがすごい!』大賞受賞。2007年当時も勤務医。 登場人物 ♣︎世良雅志 東城大学医学部附属病院 研修医。 1988年5月、国家試験の合格発表の前に世良の外科研修はスタートした。 ♣︎佐伯清剛 東城大学医学部総合外科学教室教授 ♣︎高階権太 医学部総合外科学教室助手。前職は帝華大学第一外科教室助手、米国マサチューセッツ医科大留学後、東城大学医学部総合外科教室講師となる。 彼は、食道癌手術の新兵器、「スナイプ」を手土産に、帝華大から送り込まれてきた。 ♣︎渡海征司郎 極北大医学部出身、佐伯教授も一目置く優秀な外科医、天才的な手技を持ち、手術成功率100パーセントを誇る。世良の指導医。 ♣︎渡海一郎 渡海征四郎の父。極北大出身の内科医。 佐伯教授を信奉する世良に、渡海は「佐伯教授は自分の保身のためなら何をするか分からない人物だから気をつけろ」と言い、自身の父の打ち明け話をした。 彼の話によると、極北大出身で、母校で内科助手をしていた父は、業績が認められ東城大医学部の内科に講師として招かれた。渡海が極北大に入学する前のことだった。当時は佐伯助教授とは良好な協力関係だったが、その後ある患者を巡り彼の立場は一転、関連病院へ飛ばされたのだという。 それは佐伯が国際学会に出張中に起きた。緊急で外来受診した佐伯の患者のX線写真に、佐伯が手術中に置き忘れたと思われるペアンがくっきりと写っていたのだ。そのままにしては危険だと判断した渡海一郎は、主治医の佐伯宛にペアンを取り出す手術許可を取ろうと電報を送るも、届いた電報に書かれていた文字は「ペアンテキシュツオコナウベカラズ」とだけだった。理由も分からぬまま、ペアンは患者の体内に残されたまま閉じられた。 何故患者の体内にペアンが残されていたのか、それは執刀医である佐伯の過失だったのか、それとも、佐伯が話したことが事実だったのか・・・。 「世良、立派な外科医になれよ」 渡海は世良に辞表を託し、姿を消した。 その後、渡海征四郎の行方は杳としてしれない。 *ペアン 主に外科手術で、切断した血管を挟んで止血するのに使用する鉗子のこと。「ペアン鉗子」というのが正式名称。 この小説に登場する「ブラックペアン」は、特注のカーポン製のペアン。文中には「ブラックペアンは、レントゲンには写らないし、火葬されたら一緒に燃えて、後には残らない」と、なっている。 ☆ブラックペアンシリーズ 3部作 1.ブラックペアン1988 2.ブレイズメス 1990 3.スリジエセンター 1991 現在放送中の「ブラックアン シーズン2」を観る前に、「TVer」で、以前放送された「ブラックペアン」を、何作か観ました。 海堂尊の本はほとんど読んでいますが、何せ、ずいぶん前のことで、原作とドラマの内容が一致せず混乱・・・。そこで、上記の3部作を、読み直すことにしました。 現在放送中の、天城雪彦が登場する「ブラックペアン シーズン2」の原作は、ブレイズメス1990」と「スリジエセンター 1991」のようです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[本] カテゴリの最新記事
|
|