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カテゴリ:大和撫子計画
先日の「新宿の母」からの続きです。
一週間ほどしてから、やはりかかってきました新宿の母こと着付け教室の学院長シ○子からの電話。 運悪く、また受話器をとってしまったのはアタクシではなく共同生活をしつつ共に教室に通っていたMACCO。 最初からお断りする気満々でしたので、巧い口実を並べて断ってくれている様子。 「えぇ、参加してみたいのですが・・・2人とも仕事が忙しくて練習もできないですし・・・」 (MACCOは仕事が忙しそうだったけど、アタクシは毎晩飲みに行っていて忙しかった) 「実は・・・お金もなくて・・・」 (コレはホント!) そんなヒマなし、金なしの2人を不憫に思ったのか、新宿の母と言えども占い師ではないので「面倒くさがり」のアタクシ達の性格まで見抜けなかったようで、その時は「残念ね~」ということで電話は切れました。 しかし、そんなことで諦めるワンマン院長のシ○子ではなかったのです。 新年会の時の斬新なアタクシ達の着こなしが忘れられなかったようで、あの格好のままステージを歩いてくれるだけでいいから来て欲しいと言っている。 これで「練習をする時間がない」という口実は使えなくなってしまい、残るは「参加費が払えない」のみ。 すると、「参加費も要らないし、来てくれたらお弁当も出してくれる」という。 さすが、新宿の母。貧乏娘達の食事の世話までしてくれるらしい。 「学院長シ○子直々の頼みだしぃ~、お金はかからない上にお弁当までもらえるなら行ってあげてもいいかも。」(←あくまでも高飛車) ということで、ゲンキンなアタクシ達は発表会への参加を快諾したのでした。 そしてシ○子と我々の間に交わされた約束は以下の2項。 ・参加費のことは口外しない←恐くて他の人の前では口にできない。 ・新年会そのままの姿(着物、髪型、メイク)で来る←本当はもっと可愛い着物も買い足していたのに、ちょっとガッカリ。 発表会当日はあいにくの雨。 確か、新年会の時も雨だったからあの着付け教室関係者には強烈な雨女がいるに違いない。 新宿駅から会場までは徒歩で15分はかかるらしい。 「草履だし、歩いていくのヤダねぇ~」なんて話していると、ふいにMACCOがファッションジャーナリスト大内順子のような格好をしたおばさんに目をやり 「あれ、麗子じゃない?」と指をさす。 あの黒々として怖ろしいほどに揃ったおかっぱ頭。間違いなく そう、岸田劉生の代表作、麗子像。 そっくりの先生がいたのよ、着付け教室には。 新年会で麗子の存在を発見したアタクシ達は「怖いもの見たさ」ならぬ「面白いものいじりたさ」の好奇心で近づき、七五三の着物を解いて作り直したという当日の着物についてお話を伺ったのだわ。(そんなエピーソードも麗子らしい) 向こうも朝早くから明らかに水商売とは無縁そうな着物姿でちんまりとたたずむアタクシ達を見つけて、思い出したらしく 「今から会場に行くの?」と声をかけてくれた。 「でも、この雨で困っちゃいましたね~」などと、持ち前の笑顔で応対していると・・・ 「ちょうど今、タクシーに乗ろうとしていたところだから、一緒に行きましょうよ」と誘ってくださった。 臆することもなく麗子と共にタクシーで会場入りしたアタクシ達。 車内で話をしている間も麗子の本名は一向に分からず、口先では「先生」と心の中では「麗子」と呼び続けるのでした。 タクシー代は払うつもりでしたが、お嬢様(?)先生の麗子が出してくれたのです。 ステージをただ歩くだけというアタクシ達は、何のリハーサルも要らないので遅い時間の会場入りでしたが、ステージ上ではものすごい剣幕で立ち位置を確認させるシ○子。楽屋では沢山の女子がメイクや髪の毛のセットなどを念入りにしていました。 その片隅で支給された豪華弁当を食すアタクシ達。 我々はシ○子プレゼンツ「特別新企画」ということで、新しい着物の着方を提案するという趣旨のコーナーで参加。 まるで中森明菜のデザイアーを彷彿させるような着こなしのお姉さんや町娘と一緒に、キッチリと舞台をこなしました。(ウチラの着こなしはそこまで奇抜なのっ?という疑問を抱きながら) その他にも十二単や花嫁、舞妓のナマ着付けが見られて面白かったワ。 舞妓のモデルになった子があまりに可愛らしかったので、一緒に写真を撮ってもらいまして、シ○子にこっそり「どこであんなに可愛いモデルを見つけてきたのか?」と尋ねたら モデルは全て生徒の中から選ぶのだとか。 図々しくも「何故ウチラはあの煌びやかなモデルに選ばれなかったのだろう・・・」と思って、その基準を聞いてみると、第一の基準は「健康であること」らしい。 あの舞台の上で何キロにもなる衣装やヅラをまとうのは重労働なのだそうだ。巧いこと切り返されたわ( ̄へ ̄) 顔見知りの先生にも聞いてみたところ、「院長先生は毎回、びっくりするような可愛らしい子を知らないうちに発掘し、独断でモデルに任命する」らしい。 「教室では普通の子かな~と思っていたのに、化粧をして舞台に上がるとものすごく映える子ばかりなのよね~。きっと普段から目をつけてるんだよ。」と言っていた。 その後、フツーに生活をしていてあの可愛らしい舞妓ちゃんと偶然の再会を果たすとは、その時アタクシもMACCOも予想だにしていませんでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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