テーマ:今日のこと★☆(106239)
カテゴリ:音楽
本日付のイギリスのタブロイド紙「The Mail on Sunday」(MoS)にPrinceの10曲が収められたCD「Planet Earth」が付いてくることは一週間ほど前からニュースなどで取り上げられ、物議を醸してきた。
今朝、近くのニューズエージェントにBenと一緒に出かけて£1.40(ほぼ350円)でMoS誌を買い、さっそくおまけCDを聞きながら新聞を読んだ。 このおまけCD、中には今年9月のPrinceのコンサートチケットがあたるゴールドのものもあるらしい。 私のはハズレでしたが。 BBCや他の新聞でもいろいろと取り上げられているので私が特に感じた点について書く。 1. レコード会社をはじめとする音楽業界について Princeは1995年のインタヴューの中で『インターネットが根付けば、音楽業界は終わりさ。レコード会社は必要なくなるんだ。』と言ってレコード会社の反発を食らったが、この時点で彼はすでにネットと音楽の将来を予見していたようだ。 ”Once the internet is a reality the music business is finished. There won't be any need for record companies.” 「これは、プリンスのこれまでのキャリアを応援してきたすべてのレコード店に対する侮辱だ」という記事も見かけたけれど、Princeってデビューの時にすでにすべての楽器をこなし 、自作自演、自己プロデュースしてたので、レコード会社やレコード店というのは彼にとっては自分(アーティスト)の作品に寄生しているもので必要ないわけですね~。 "If I can send you my record direct, what's the point of having the business? I don't have a manager any more/ Would you want somebody living off your work?" HMVが無料配布に反対しつつも、店頭にMoSを置いた、というのは現実的な対応ですね。 『このことで損をするのは今まさに世に出ようとしている新しいアーチストだ。消費者はPrinceのアルバムをタダでもらえば、新しい音楽を買う必要がなくなって余ったお金は何か別の物に使ってしまうだろう。』 というEntertainment Retailers AssociationのDirector Generalの意見は消費者、というか聴取者をバカにしてますよね。 だって、モーツァルトを聴けば、バッハが要らなくなるわけではないでしょ? ビジネスの形態や内容は世につれ人に連れて変化していくのが常識。 とすると今回のCDの無料配布というのは、今までの音楽業界のあり方に一石を投じたもので今後の展開に興味津々です。 2. 新聞におまけとしてつけたこと MoSが明かしたところによると、本日付の新聞は290万部配布を予定しているそう(通常売り上げは230万部)で、1997年のダイアナ妃事故死を報じた際には280万部だったという。 MoSはこのライセンス料としてPrinceに25万ポンドほど支払ったと言われている。 もともとイギリスでは、新聞は配達される物ではなくて、本屋やスーパー、ニューズエージェントなどに買いに行くものである。 そして週末の土曜・日曜にはサプリメントと呼ばれる増刷部分やおまけ(ガーディアン誌で「全犬種ポスター」というのがあって人気を博していたっけ)がたくさん付いて、普段の新聞より多少値段が高くなる。 CDがおまけとして付くのはよくあることで、その場合は「70年代ヒット曲特集」みたいなものが多い。 ついでに、イギリス人の中には、毎日きちんと新聞を買いに行く人もいれば、この付録がいっぱい付いて読みどころ満載の週末版を買えば、そう毎日新聞を買わなくてもいいや、と言う人もいる。 音楽配信の方法として新聞のおまけ、というのは案外イケルのかもしれない。 3.UKの公式アルバムチャートからこのCDが除外されたことについて MoSの代表取締役スティーブン・マイロンは 『公式アルバムチャート会社は大昔に決定されたルールに従っているが、それは現在の音楽業界のあり方にそぐわない。まったくばかばかしい事だ。』と言っています。 "The fact that they are referring back to rules put in place ages ago doesn't seem to fit with the way the music industry is now. I think they are mad." やはりチャートは必要。 でもその基準づくりは相当難しくなって行くんでしょうね。 ところで、このCDは日本ではどうやって配信されているのでしょう? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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