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2007年03月14日
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カテゴリ:映画生活

ひと月ぐらい前、映画『不都合な真実』を観た。
席数はそう多くない劇場だったが、朝イチの上映にも関わらず満席。事前に聞いていた通り、全編に渡って元アメリカ副大統領のアル・ゴア氏が地球温暖化問題について激しく警鐘を鳴らすという目的で開催した、自主講演会でのプレゼン風景がドキュメンタリーとして延々と続くという内容であった。※誰にとって“不都合”かって、そりゃもちろんアメリカであり、その国の代表者であり、そこで利益を得ている企業のことである。

ワタシはちょうど仕事の関係で、この半年間ほど環境問題の資料や書籍を読んだり、専門家に話を聞いたりする機会が多かったので、語られる内容には特に目新しさは感じなかったが、まぁとにかくゴアさんのプレゼンは上手かった。およそ90分間、ステージ背後の馬鹿でかいスクリーンを駆使して映し出す、数々の地球の映像は圧巻だったし、理路整然とした流暢な喋りのテクニックはさすがにプロ。地球温暖化の現状と、それがもたらす危機的状況についても、観客の理解は相当深まったことだろう。(※そもそも地球温暖化の原因については「温室効果ガスが主要因ではない」とする説もあるが、ここでは議論しない。)

しかしながら。人類が直面するこれだけ重要なテーマを取り上げ、上手にプレゼンしていながら、個人的な印象としては、あまり何も残らなかった。映画館では「大変、これはナントカしなければ」と思ったヒトも多いはずだが、実際のところ、これを観たヒトたちも、おそらく3日もたてばきっとそんなことは日々の雑事に紛れて忘れてしまうのである。それは何故か。

日本でも『チームマイナス6%』などでの取り組みが有名だが、これも含めて、いま世の中にある環境活動の多くが、どこかしら啓蒙的だったり、教育的だったり、ともすると脅迫的だったりする。しかし、そんなことでなかなかヒトは動かない。
起こっている事実を伝えるのは大事。その対策を提案するのも、もちろん大事。だが、地球温暖化による海面上昇で今にも水没しつつあるツバルやキリバスの人々が味わっているリアルな恐怖に比べれば、我々日本人などは遥かに現実的な危機感が薄いのも無理はない。知らないどこかの南の国の話よりも、何十年先にかけての温度上昇よりも、むしろ気になるのは今日の仕事や明日の生活である。

つまり、どんなプロジェクトでもそうなのだが、まず重要なのは「これをやることの、ゴールはどこなのか?」ということを明快にすることであり、さらに重要なのはプロジェクトに参加するメンバー全員が「これが達成されることは、自分にとってどんな意味(価値)があるのか?」という具体的なイメージが描けなければ、プロジェクトはヒトを惹きつけないし前にも進まないということ。
地球温暖化がテーマの場合、「地球は大切で、守るベきもの」という大義は皆わかっている。必要なのはその先で、社会の大義と、個々の生活者の価値観とを結びつけるような、“気づき”を促進するコミュニケーションの視点がなければ、巷で進行中の数多の活動も、地球の危機にはとうてい追いつかないのである。






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最終更新日  2007年03月17日 19時34分46秒
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