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カテゴリ:旅行生活
「モーホ-ビーチでさようなら」の巻 7時起床。一晩中降り続いた雨はいつの間にか上がり、今朝は一転して快晴である。起きてすぐ、ビーチまで散歩にでかける。なんだか老人の生活のようだ。結局、昨夜の雨ではどこにも出かけられず、一応「どこかでパーティーやってないの?」とコテージの従業員に訊くと、そもそもこの季節はほとんど人がいないのと、最近はパーティーがあるというとすぐに警察が来て中止になるのでさっぱりだな、と言っていた。 ビーチに着くと、さすがにまだ人は少ないが、この日も朝からインド人の男二人づれがチラホラ。砂浜に腰を下ろして波を見ながら音楽を聴いていたら、ひとりのまつ毛の長い綺麗顔のインド人青年がワタシの前を行ったり来たりしていたかと思うと、トコトコっと近づいてきて、カメラを取り出した。撮ってほしいのかと思いきや「写真を撮らせてほしいんだけど」ときた。へ?と思いながらも「あぁどうぞ」と言って満面の無精髭スマイルで応えると、「とてもいい帽子だね、似合ってるよ」とワタシの被っていたキャスケットを指しながら、「ぼくはウッタルプラデ-シュ州から旅行で来たんだ。キミに会えて良かった」と、握手をしながら長い睫毛をシバシバさせて、妙にロマンチックなことを言うのである。なんだなんだ。 まつ毛成年と入れ替わりに、今度はむさ苦しく太った髭の中年インド人2名が海から上がってきて、わざわざワタシの横まで来て座った。やはり不思議なことに、中年のオッサン同士でさっきまで波打ち際で追いかけっこをしていた二人である。 ワタシの隣に座ったオッサンが、ガハハと笑いながら肩に手を置き、「お前は一人旅か?」と訊いて来る。そうだと答えると、「おれたち二人はラジャスターン州から遊びに来たんだけど、なんだお前、ボーイフレンドはいないのか?ガハハハ!」と笑った。ボーイフレンドぉ?ガールフレンドじゃないの?やっぱり。ここ、「モーホービーチ」確定しました。 さて、愛と哀しみのモーホービーチを後にしてコテージまで戻り、朝食とシャワーを終えれば、いよいよこの旅最後のパッキングだ。午後になれば、ゴアの空港から、ムンバイ→デリー→関空へと、およそ11時間かけて一気に現実世界へ逆戻りである。 コテージの清算を済ませた後、出発までにはまだ少し時間があったのでフロントに荷物を預け、コルヴァビーチの通りへ最後の散歩に出かける。途中、通りの真ん中で突然大声で絶叫している中年男、昨日からビーチとどこかを20回以上往復している骨と皮だけの若者など、何人か完全にアチラ側に行ってしまっている白人とすれ違う。あぁ今日もまた暑くなりそうだ。 交差点にある一軒のカフェに入り、熱いブラックティーを飲む。必要以上に大音量で流れる店内のヒンディーミュージックが、ある箇所にくると音とびで何度も何度も同じフレーズをリフレインしているが、一向に誰も気にとめる様子もない。 ひびの入ったティーカップには、さっきからハエが2匹とまったまま動かないでいる。 -<完>- お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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