ミステリーの世界では、善良に見える人間ほど心に深い闇を抱えている---------!!
久しぶりになかなか救いのない話でしたなぁ。
これは逆に好みかも(^^)
でも、それが逆に好き嫌いはっきり分かれそうな内容で。
主演は観月ありささん。
少年犯罪を扱う弁護士・浅野葉子。
でも、印象に残ったのは・・・玲子役の大野いとさんの方だったわ。
多重人格者の演技が凄かった。
これは予想外の素晴らしい出来だったよ。
今日も裁判で少年の更生の機会を得たと、会見する葉子。
無罪判決を受けたある少年。
反省の色がないという世間の批判も高まる中、葉子はそれでも、厳罰よりも、保護と教育をという少年法の原則があらためて確認できたと思っていると断言。
「人の善性を、信じる心を私たちは忘れるべきでは ありません。
どんな境遇であろうと人は変われます。
たとえ 何があっても、絶対に諦めてはいけないのです。
私は 私の信じることをしたまでです」
それが葉子の信念。
そんな中、あらたな殺人が発生する。
雨の夜。
突然少女にナイフを突き立てられ、殺されてしまった男・前村 哲也。
彼女は笑い声をあげて、赤い傘をさし、姿を消してしまうのだった・・・。
葉子は会見を追え、自宅マンションへたどり着くと、駐輪場から物音が聞こえてくる。
様子をうかがうと、すすり泣くような声が聞こえ、葉子はそこに女の子がうずくまっているのを発見。
何をしているのかと声をかけると・・・高校生くらいのその少女は突然葉子に泣きながら訴えてきたのだ!!
「何も分からないんです。
私は誰なんですか?」
濡れたままだし、そのまま放っておくこともできず、彼女を家に招き入れた葉子。
彼女の持ち物から、ストラップに『REIKO』という名前があったので、玲子という名前で呼ぶことにした葉子。
だが、買い物に行ったスーパーで、警察が、玲子によく似た似顔絵を持って彼女の行方を捜しているのを目撃してしまったのだ!!
どうやらこの先で殺人事件があったらしく、その女子高校生が男を殺したというのだ.
犯人は玲子なのか?
そこで、葉子は恋人で、心理カウンセラーの藤川を呼び出すことに。
だが、彼女が忘れていたという赤い傘を駐輪場で発見した葉子。
そして、その傘の間から滑り落ちてきたのは-----血がついたナイフ!!
やはり玲子が犯人!!
だがその時、玲子が「近づかないで」と叫ぶ声が聞こえ、慌てて家に戻った葉子は、そこで藤川に怯える玲子の姿を見てしまう。
彼が何をしたわけでもなく、姿を見た瞬間拒絶反応を起こしたよう。
落ち着けと説得し、電池が切れたように倒れてしまった玲子。
記憶障害なのか?
これは危険だと判断した藤川は、警察に連絡をというのだが、葉子は少し待って欲しいと、今の玲子の状況で警察に渡すわけにはいかないととめる。
藤川は、感情移入しすぎないことを条件に協力することにしたのだが・・・。
そして、目を覚ました玲子は・・・その手にナイフを持ち、攻撃的な性格を見せたのだ!!
早苗を呼んで来いと叫ぶレイコ。
葉子をお前呼ばわりし、藤川に早苗を呼びに行かせることに。
言われた学習塾で働いていた早苗をつれてきた藤川。
待っている間に、レイコから話を聞きだす葉子。
「あなたが人を殺したのね?どうして?」
「早苗が裏切ったから思い知らせてやっただけだ」
「裏切った?」
「あの人が教えてくんなかったら、私はずっと早苗にだまされたままだった」
だがその時、調度早苗を連れて藤川が家に戻ってくる。
早苗は玲子を見て、心配していたと声をかけるのだが・・・
自分に隠れてこそこそ男と会っていたことが許せなかったから、早苗の婚約者を殺してやったと告白するレイコ。
だが------早苗は昨夜その婚約者と会っていたというのだ!!
「間違って殺した?
嘘だ、嘘だ、嘘だ---------!!」
ひとまず落ち着こうと、レイコが手にしていたナイフを下ろさせようと説得を続ける藤川たち。
だが、それが逆にレイコの興奮を煽ってしまったのだ!!
「私を捨てるな!!」
そう叫んで襲い掛かろうとしたレイコ。
だが、レイコを追っていた警察が、どうやら学習塾に来た藤川のことを見張っていたようで、物音を聞きつけ、家に踏み込んできたのだ。
取り押さえられ、放せと叫んで抵抗するレイコ。
そんなレイコを見て、自分の過去とフラッシュバックさせてしまった葉子。
そうか、葉子もまたずっと子供の頃、虐待を受けていたのか。
母親から殴る、蹴るという暴行を受け、救いを求めていた日々。
だからこそ、レイコの気持ちが分からなくもないのだろう。
玲子は父親から暴行を受けていたよう。
性的虐待を受けていた玲子は、男性恐怖症になり、もうひとりのレイコを生み出してしまったよう。
そして、自分以外に適任者はいないと、玲子の弁護を引き受けることになった葉子。
だが、レイコの言った『あの人』とは誰なのか。
隣りに住んでいた早苗が玲子と一緒に遊んだり、勉強を教えて面倒を見てくれたよう。
その間にどんどんその執着がエスカレートして、早苗を束縛するようになってしまったというのだ。
早苗はレイコの存在も知っており、このまま自分が傍にいては玲子によくないと思っていたけれど、怖かったから婚約者がいることもいえなかったのだ。
涙を流す早苗。
彼女もよかれと思ってやったことが逆に玲子を追い詰め、自分に依存する人格を作り出してしまったことを後悔しているよう。
そして、玲子もまた、覚えてはいないけれど、自分が前村を殺したと認めたよう。
葉子はそれは別の人格がやったことで、玲子には関係ないと庇うも・・・。
「私、すごく自分が怖いんです」
いつか自分の身体を乗っ取られるんじゃないかと。
「あっちの私も、味方になる人が欲しかっただけなんだと思うんです」
そんな玲子を守ると約束する葉子。
だがその時、全てを見ていた刑事の今西は、突然玲子の傍に歩み寄り、彼女を怯えさせたのだ!!
一体何故こんなことを?
どうやら今西は、玲子が本当に病気なのか疑っているよう。
そして藤川も。
多重人格者の場合、主人格は、自分にとって大事な名前や家などは覚えているもの。
なのに、玲子は何も知らないという。
「かわいそうだとは思う。
ただ、それが理由にはならない」
何故レイコは全く関係ない前村を刺したのか?
間違えた?
否。
どうやら関係はほかにあったよう。
どうやらこの前村の妻が早苗の学習塾の同僚の福沢と不倫関係にあったよう。
すると、葉子はひとつの案に思い当たる。
玲子の事情を知って、利用した者がいたのではないのか?
浮気がバレ、前村と離婚でもめそうになっていた妻。
そこで福沢と結託して犯行に及んだのではないのか?
福沢はたまたま仕事の関係で早苗の家を訪ねていたとき、玲子に恋人と間違われて、襲われた経験があったからだ。
「あの人」とは、前村の妻。
早苗の相手を自分の夫だと教え、殺すように仕向けたのではないのか?
だが、証拠がない。
それに、記憶の欠落の問題もある。
そこで、真相を確かめに、前村の妻の元を訪ねる葉子。
だがそこには何故か警察がきていたのだ。
なんと、妻の加津子が殺されたというのだ!!
犯人は福沢。
動機は実にくだらない理由。
転がり込んできた遺産でもめ、福沢はカッとして殺してしまったというのだ。
・・・なんという結末。
連れ出されていく前村の息子が、涙を堪える姿を、痛ましそうに見つめるしか出来ない葉子たち大人。
結局振り回されるのは弱者の子供なんだよな・・・。
今西は言う。
「先生たちは信じることが仕事。
私ら刑事は疑うことが仕事です。
でも本当は人を信じたい。
信じてやりたいと思いたい自分もいるんです。
だけどね。
世の中にはね、いるんですよ。
どうしようもない根っからの 悪いやつがね」
「たった一人だけでもいい。信じてくれる人がいれば。
味方になってあげられる人がいれば、いつか人は変われると思うんです」
葉子はそういう子供たちのために戦いを続けるのだ。
1年後・・・。
無罪判決を受けた玲子。
葉子は虐待をしていた母に会いに行く事に。
今は娘のことも覚えていない母は、人に親切にして好かれていたよう。
でも、それが本当の母の姿なのかもしれないと藤川に言われ、心の闇の部分と向き合うかどうかなのだと考える。
そして、退院が決まった玲子に会いに行く葉子。
「大丈夫よ。あなたはきっと変われる」
そう言って、玲子を抱きしめた葉子。
だが・・・葉子が突然奇妙な声をあげて笑い出したのだ。
「いい子の演技って本当疲れるんだよね」
私はね、変わらないんだよ!!」
これが本当の玲子の姿なのか。
騙していたのか。
それでも葉子は己の信念を貫く道を選ぶ。
たとえ玲子に受け入れられなくとも---------。
「人は変われます。
私は、私の信じることをしたまでです-------」
その会見を見た玲子は、赤い傘を手に、鼻歌交じりに笑い声をあげ、街を歩いていくのだった-----。
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