古い本に隠された謎------------!!
本に対する価値観を考えさせられた回だった。
古いからこそ価値がある本。
初版にこだわるコレクター。
同じ二冊の本。
普通はきれいな本を選ぶ。
だが、今回の話は、汚れた汚い本にこそ、皆は価値を見出すというお話。
朝、ビブリア書店の前に倒れていた志田。
昨晩、したたかに酔ってしまい、そのまま寝入ってしまったよう。
だが、昨日買ったはずの本がなくなっていたのだ。
ポケットに入っていた領収書のようなもの。
どうやら志田は昨日、酔った勢いでその本を紙袋ごと1000円で売ってしまっていたようなのだ。
その中には貴重な高価本があったという事で、本を買った人を探すと言い出す志田。
だが、残っていた所持品は・・・。
金メダル、志田の額に押された星型のスタンプ。
で、何故かモモンガ。
こんなのがヒントになるのかって話。
一方、今日は宅買いという、出張買取に向かう事になった栞子と大輔。
そのお宅の主の聡子は、今度マンションに引っ越すことになり、父の蔵書を処分しようという事で、ビブリアに頼んだという。
だが、それとは別に栞子でないとダメな理由があったよう。
聡子曰く、この書斎から父の本が盗まれたというのだ!!
そこで推理力に長けているという話を聞いた栞子見込んでの頼みだったよう。
「その犯人を捜してもらえないでしょうか」
宮沢賢治の自費出版の「春と修羅」
100万も値がつくというその本。
聡子の父は保存用になのか、同じ本を2冊持っていたというのだ。
だが、なぜか後から買い求めた本は1冊目より汚れて汚い状態の「春と修羅」だったという。
それでも、なぜかそちらの古い本の方を大切にしていたという父と聡子。
今回盗まれたのはその汚れた方の本。
何故犯人は汚れた本を持っていったのか?
きれいな本の方が価値があるだろうに。
「犯人が、身内にいるからです」
無くなった状況からして、盗んだのは、当日訪ねてきた兄と姉のどちらかだというのだ。
家を売るという話を聞いた兄たちが聡子に遺産の件で話し合いに来たという。
だから出来れば公にしたくないという聡子。
換金目的で盗んだと思われ、それを売られるその前に取り戻したいだけだというのだ。
その本が置いてあったのは、電子ロックで鍵がかかった部屋。
だから外部犯には無理な話。
2人はそれで1度ずつ席を立ったという。
そこでまずは兄の一郎と話をすることにする大輔と栞子。
彼は昔は聡子と仲がよかったという事で、よく2人で本の暗唱をしていたと、「春と修羅」の初版本の句を読みあげてみせたのだ。
今はその句は初版から内容が修正されているという。
現在のものは、宮沢賢治が出版後も手を加え、その手入れ本に沿って修正されているというのだ。
だが、その手入れ本は未だ発見されていないというのだ。
初版の句を知っているという事は、本当にあの本の内容を知っているという事。
そして当日一郎が来ていた薄手のセーターでは本を隠すことは無理。
席を立ったのはトイレに行くためだったという一郎。
栞子も犯人は一郎ではないと言う。
では、姉の小百合が犯人?
聡子とは仲が悪いという小百合。
先に2人を迎えに来たのは、小百合の息子の昴。
彼は祖父が生きていた頃はよく彼の書斎に入っており、いろいろ本について教えてもらったという。
昴は古い本にも詳しいようで、犯人が「春と修羅」を盗んだという話を聞き、では池波正太郎「錯乱」や、中原 中也の 「在りし日の歌」などを持っていかなかったのかと言い出したのだ。
その時戻って来た小百合に話を聞くと・・・。
席を外したのは昴に電話をかけていたという事で、証拠の着信履歴が残っていたのだ。
では一体誰が本を盗んだのか?
その頃、志田の方も自分から本を買ったという人にたどり着くことに成功。
まず額の星型のスタンプ。
それを見た笠井が、中古ゲーム機を販売している店のポイントカードのスタンプだという事に気づく。
どうやら笠井のためにそこで、彼が探していたゲーム機を買っていたよう。
で、スタンプカードを忘れたたという事で、志田が自分でここに押しておけと言ったというのだ。
その時志田に「チャンピョン」と声をかけてきた女性。
何故かブレイクダンスで優勝していた志田。
メダルはそれのよう。
その時撮っていた写真を見せてもらい、その時は手にしていた黒い紙袋。
そこでその会場となった店に行くと、そこで志田が本を売っていたという目撃情報を得たのだ。
最後のモモンガは、その従業員のペットだったようで(^^)
意味があったんだかなかったんだか。
だがその本を売った相手は・・・何と聡子だったのだ!!
そこで聡子の家に伺い、本を返してもらうことに。
それに同行する栞子たち。
どうやら栞子の話を聞いたのは志田からだったよう。
これで話が二つとも繋がったって事で。
だがその時、志田が取り戻した本の中身を確認した栞子と大輔は、ある本を見て固まる。
「本を盗んだ犯人が分かりました!!」
そして・・・栞子たちがビブリアへ呼んだのは-------小百合の息子の昴。
そう、彼は最初から盗まれた本が「春と修羅」だと知っていた発言をしていたのだ。
・・・これはすぐに気づいた人多かったでしょ。
では確証を得たのは?
祖父の家によく行っていたといっていたけれど、それは祖父が亡くなってからは仲の悪い母と叔母の関係のせいで行っていないという事。
なのに・・・あの日、書斎に置いてあった、志田から買った「錯乱」の本の事を知っていたのだ!!
「錯乱」は「春と修羅」が無くなった日に置いてあったもの。
祖父の所持していた本ではないのだ。
それに、聡子の家までは車だと15分かかる道なのだが、徒歩だと抜け道があり、そこからなら5分で行けるという。
本を盗んでから電話に出ることは十分可能な時間なのだ。
全てを明かされ、がっくり崩れ落ちる昴。
だが、彼は盗んだのではないというのだ。
「本を守っただけっすよ」
彼にとって、あの汚れた「春と修羅」は、大切な本だったのだ。
いじめを受けていて落ち込んでいた自分に、祖父がその中にある「昴」という詩を教えてくれたという。
物事に執着しても意味がないという内容のそれに、いじめに悩むことがバカらしくなり、救われたというのだ。
よく分からないけどいいねと感想を祖父に告げると、いい取り方をしている。
お前にこの詩は相応しいといってくれたというのだ。
それに、この本には秘密があると、謎賭けをしてくれた祖父。
それもあってよく読み返した本だという。
だから昴にとっても、この本は特別な本だったのだ。
だが、聡子たちが家を処分すると、本を売るといっていた話を聞き、本を守ろうとしたのだと・・・。
ま、聡子はそれでも宮沢賢治の本は売るつもりは最初からなかったので、昴がやったことは取り越し苦労だったわけで。
すみませんでしたと、本を栞子に返す昴。
だがその時、栞子はその本を見て、驚いた表情を見せたのだ。
で、結局祖父が言っていた本の謎とは?
答えを告げずに逝ってしまった祖父。
だが、最後に祖父はヒントを残したというのだ。
「テナルディ軍曹に気をつけろ」
何の意味か分からないまま。
それでも謎解きが長いと、ずっと祖父と一緒に繋がっていられる感じがするからいいのだという昴。
だが、謎解きのご褒美だという事で、生前絵を用意していたという事で、聡子から先に受け取っていたという昴。
なんでも昴が生まれた年に祖父が書いた絵だというのだが--------。
それを見て驚く栞子。
事件解決を喜ぶ大輔。
だが、栞子はまだ何も解決していないというのだ。
本当に本を盗んだ犯人は別にいるという栞子。
そしてやってきた聡子に「春と修羅」を返そうとした大輔だったが・・・それを奪ったのは、栞子。
何故きれいな本を奪わなかったのか?
それは、昴には謎解きの、祖父との思い出の本。
だが、このこの汚い本の方がはるかに希少価値の高い本だからだという栞子。
詩集というジャンルわけされてしまった初版本。
だが、宮沢賢治はこれを詩集とは考えていなかった。
だから背表紙の上にかかれた「詩集」という文字を、彼は消していたというのだ。
そして・・・中に書きこまれていた文字。
「この本は書き込みがあることによって価値がはね上がっているんです。
これが宮沢賢治、本人の字だからです」
そう、この本は、まだ発見されていなかった宮沢賢治の手入れ本だったのだ!!
栞子は更に、この本を本当に継ぐべきだったのは、昴だったのではないかと言い出したのだ。
聡子は遺言書がないのをいいことに、価値を知っていて自分のものにしようとしたのではないのか?
憶測だと反抗する聡子。
だが、栞子には分かるのだ。
昴がご褒美だと聡子から貰ったという絵。
その絵は鶴岡八幡宮。
だが、その絵には、シンボルマークの大イチョウの樹が書かれていなかったのだ!!
台風により折れてしまったのは2010年の話。
つまり、あの絵が描かれたのはそれより後の話。
昴の生まれた年に書かれたものではないという事。
本物のご褒美は、春と修羅だったのではないのか。
「テナルディ軍曹に気をつけろ」
父が残したヒントは・・・。
それは、「レ・ミゼラブル」に登場する盗人の事。
父は昴から娘が本を盗むと予見していたから、そう言い残したのではないのか。
父からも疑われていたという事に絶望する聡子。
だが、何故この本の価値を分からない昴に渡そうとしたのか?
この本を愛している自分にこそ所有権があると。
大嫌いな姉の息子に渡すなど、聡子には出来なかった。
だが、栞子は、父の本当の願いは別にあったと告げる。
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