誰かに押し付けられていい人になっても、本当に いい人になったことにはならない。
それならまだ、悪いことをやってる方が人間らしい--------
今日は書籍を寄贈するため、聖桜女学館を訪ねる栞子。
その本を選別した教員の杉浦は、数冊の本を引き抜き、これは中学生にふさわしくないといわれ返却されてしまう。
評価の高い文学書だと言っても、先日も本のせいで学校批判めいた感想を書いた生徒が居たという事で、取り合ってくれないのだ。
一方、奈緒はすっかり志田になついてしまったようで、今日も本を見繕ってもらっていたよう。
でも、だがなんだか落ち込んだ風の奈緒に気づいた志田はわけを尋ねると・・・。
自慢の妹が最近万引きをして、それを換金し、それが原因で停学になっているというのだ。
さらには「時計じかけのオレンジ/アントニイ・バージェス」の読書感想文で、学校批判的な感想を書いて、親が学校に呼び出されてしまったというのだ。
どうやらあの感想文を書いたのは、奈緒の妹のよう。
何故そんな事をしたのか?
その理由を知りたい奈緒は、学校にまた本をもって行くという栞子に妹の結衣の様子を見てきて欲しいと願う。
その時、話を聞きたいという事を告げると、図書委員で、結衣の友人だという美鈴が庇い、そっとしておいて欲しいと言われてしまう。
その頃、本の間から出てきた写真。
それは母親だというのだが・・・だが、
母親の話は姉には厳禁だという文也。
何故?
また母親の話でひと悶着ありそうな感じだよなぁ。
そこへ戻って来た栞子。
だが、志田たちから聞いた話を纏めると、結衣は万引きはしたけれど、それを換金はしていないというのだ。
万引きした店では、後姿しか目撃されておらず、結衣が名乗り出たので、彼女が犯人だという話になっただけ。
それに換金に関しては、同じCD8枚も持ち込まれた場合、盗品の可能性もあるし、ましてや中学生が持ち込むなど、危険な買取はしないと言うのだ。
さらには結衣はどうやら潔癖症だという話。
図書館に行く事や、友達との本の貸し借りもしないという。
その話を聞いた栞子は皆に宣言する。
「妹さんは、万引きなんかしてないかもしれません」
そして結衣を呼び出した栞子は、感想文の話を聞くことに。
どうやってこの感想文を書いたのかと問う栞子。
「あなたは感想文の最初にこう書いています。
「この本を 読み終わって私は すぐにベートーベンの 『第九交響曲』を聞いた」
これは 最終章で主人公のアレックスがベートーベンを聴いていたから、あなたも聴きたくなったということですか?
確かにあのラストはよかったですね」
「ええ。 とても怖くてすてきな文章だと思いました」
「嘘ですね。
あなたは嘘をついています。
それは、あの感想文を書いた人は、本当の意味で『時計じかけのオレンジ』を読んでいないからです」
その根拠は、新版と旧版の違い。
なんと、「時計じかけのオレンジ」はそれで装丁も違うし、内容も違うというのだ!!
旧版では、アレックスの洗脳が解け、悪人に戻った所で終わるという。
だが、新版では、自ら悪をやめ、家庭を持つと宣言するアレックスのその後の人生が描かれているというのだ。
2つの結末。
でも、それは元々オリジナルで書かれていたものを復活させただけ。
そして、それが完全版として刊行されたというのだ。
アメリカで翻訳された際に何故かカットされてしまった最終章。
映画版もそれが元になっているという事で、このカット版が広く広まり、ようやく完全版が出版されるに至って、旧版は絶版になったというのだ。
つまり、今流通しているのは、新版のその後がかかれた物。
なのに、結衣の感想は、悪人に戻った時の話で終わっている。
「あなたは、この本を読んでいませんね。
他人の感想文を書き写したからです」
読んでいないのに感想文を書ける理由はこれしかない。
本当は逆だった。
結衣は先に感想文を読んで、この本に興味を持ったのではないか。
だが、それ以上の感想が書けずに、写すしかなかった・・・。
その感想文をたまたま発見してしまった美鈴は、それを黙っているのを条件に、代えの願いを言い出したのだろう。
そう。
万引きをしたのは------美鈴。
それが大事になるのを怖れて、身代わりに結衣が名乗り出たと・・・。
だが奈緒には、万引き犯の身代わりになって停学になるのと、盗作がばれるのをはかりにかけた結衣の気持ちが分からない。
言えばよかったのにと妹を責めると・・・。
「そんなのできないよ!
万引なんかより人の作文を盗む方がずっとずっと恥ずかしい!
盗作したなんて思われるくらいなら、停学になっても退学になってもいいの!」
では何故盗作したのか?
「お姉ちゃんが 「こんなの 難しくて読めない」って言ったから」
結衣はどうやら奈緒が大輔と付き合ってると勘違いしたようで、最近本を貸しているのは志田だと説明すると、焦って誤解を解く志田。
姉が最近難しい本を読んでいる。
いつも姉の周りにには人が集まり注目する。
そんな姉を羨ましく思っていた。
そして、姉に唯一勝てるのが----勉強。
だから、自分より本に詳しくなっていく姉が悔しかった。
「お姉さんより難しい本が読めるところを見せたかったんですね?」
妹の想いに気づいてやれなかった奈緒は謝罪。
姉妹だからこそのコンプレックス。
私には盗作より停学を選ぶ気持ちはちょっと理解できないけど・・・(^^;)
時計じかけのオレンジの作者。
「バージェスは言っています。
「わたしたちは 書いたものを削除することはできる」
「しかし 書かなかったことにすることはできない」
結衣さんも感想文を写さなかったことにはできません。
自分のしたことの責任を負うべきだと思います」
そうアドバイスする栞子。
だが・・・そんな栞子にも、嘘があったようで・・・。
なんとあの
結衣が盗作した元の感想文、書いたのは------栞子だったのだ!!
小学生が書いた文章ではない。
そりゃ大人は心配しても仕方ないだろう。
大輔は驚きながらも、もうひとつの完全版の感想を聞かせて欲しいと強請る。
栞子はそれに笑みを返し、続きの話を聞かせるのだった・・・。
・・・って、これは原作二つとも読みたくなる罠って事ですか(わはは)
そりゃ自分が書いた感想文だったら、誰だって分かるわ。
二重三重の仕掛け。
本が映像が与える影響力。
それは本当分かりやすい。
映像化された作品の原作はよく売れる。
そして、本のトリビア。
これはそういうのも本当楽しめる作品だよなぁ。
でも・・・今度はちょっとミステリー色が入ってきたようで。
狙われた栞子。
常連さんに本をお届けにあがる階段の途中。
荷物を確認していたその時、栞子の前に現れた黒皮の靴の男。
そして、栞子が顔を上げると、男は彼女の肩を蹴り、階段から突き落としてしまうのだった-------。
男の狙いは栞子の古書。
高価なそれを狙っての犯行なのか。
一気に話がきな臭くなってきましたが、お話的には面白みを増したと思う。
次回も楽しみな所♪
←よろしければ、ポチっとお願いいたします♪
第1話 第2話 第3話 第4話
10873 HIT/1/9
楽天ブログではTB受付出来ませんので、TBは下記2ndブログにお願いいたします
送信確認・TB一覧は下のタイトルでリンクしております
<トラックバックURL> http://blog.goo.ne.jp/tbinterface/8c6ab832fa46350a07a11590638ab0e8/ac