以前、日米カップルの友人たちが、食料品の買い物にいつもご主人と
行っているという話を聞いた時、内心とても驚いた。
私は、食料品はできる限り一人で買いに行きたい派なのである。
ブランと一緒に行くと、ゆっくり吟味できなくて
買い忘れをすることが多いし、何より困ることがある。
オーブンで焼けばいいだけの準備万端のお魚を買っているのが
ばれてしまう。
最初から切ってくれている野菜を買っているのが
ばれてしまう。
調味料の分量をはからなくていいキットを買っているのが
ばれてしまう。
という理由からである。
これ以上私が、怠惰で横着で不精で面倒くさがりなのが彼に
ばれては困る。(もう、かなりばれているけれど。)
本当にとってもズボラな私は、最近はお料理の材料も
全て目分量となり、わざわざ日本から取り寄せたデジタルの
グラムのハカリも、あっという間に無用の長物と化した。
ところが先日、家の近くに住む友人をランチにお招きした時は、
ちょっと事情が違った。お客様に何かを作る時は、さすがの私も
一応分量をはかる。
メニューは和洋折衷で、お赤飯とミートローフとお豆腐サラダと
マンゴープリンを考えていて、いそいそと準備を始めました。
そこで昔のレシピを見ていると、大昔にお料理教室で作ったものが、
急に食べたくなってしまった。
その時にお料理教室で作ったのは、
トムヤンクン、パッタイ(タイ風焼きそば)、ゴイクン(生春巻き)、
ヤム・ヌア(牛肉のサラダ)、ココナツゼリー。
(ちなみに、そこはベターホームという教室でした。)
そうだ。和洋折衷じゃなくて、東南アジア風にしよう!
でも、トムヤンクンはすぐに手に入らない材料が多かったので、断念。
パッタイは薄切り豚ばら肉がなかったので、代わりに海老を使い、
ゴイクンははライスペーパーがなくて、エッグロールの皮が一杯
あったので揚げ春巻きに、ヤム・ヌアはお肉を入れないタイ風サラダに、
デザートは、結局マンゴープリンにしました。
お友達は喜んでくれて、レシピをメモして行ってくれました。
そして残った前菜は、こっそり夜のディナーに出してみた。
「このサラダ、ナンプラーとライムを搾った味がするね。
このエッグロールは、チャイニーズじゃなくて東南アジア風だね。」
ブラン、あなた味音痴じゃなかったのね?
そしてこの日のメインは、ブランの好きなレンズ豆の煮物でした。
これもせっかくハカリを出したので、材料は一応はかってみた。
「ありがとう。僕の好きなレンズ豆(英語ではlentilかな)だ。
これはイタリアンだね。」
レンズ豆のスープは、エジプト風、トルコ風、ギリシャ風、
南仏風と色んなレシピがあるようですが、
確かにこれは、イタリアンソーセージと、ズッキーニとトマトと
バルサミコが入っているのでイタリア風煮物かも。
ブラン、ちゃんと味の区別がつく人だったのね。
材料をはかっただけでこんなに喜んでくれるのなら、
今度からは気をつけて、せめて週に1~2回は手抜き、
目分量禁止日を作らなくてはと焦りました。
本当はとっても面倒くさいけど、愛する夫のために。