カテゴリ:父
身内の自殺の事を書くには理由があります。
一つは、父を尊敬し、父の息子としてこれからを生きていくためには、ちゃんと向き合っておかないといけいなと思ったこと。 もう一つは、父の死んだ理由をたぶん事実を知らない弟に伝えるためです。 父が死んだとき、私と一回り以上も歳の離れた弟は、まだ三つかそこらでした。 当然、彼は、その日のことを何も覚えていません。 覚えているのは、膝の上に乗せられて遊んでもらっていたことくらいのようです。 今も、彼は父の死の事実を曖昧にしか知らないはずです。 もしかしたら母が少し話しをしたかもしれませんが、 少なくとも、私と彼との間で、この話しをしたことはありません。 これまでずっと仲良くやってきた兄弟なのに、 このことだけは話しあったことがありません。 いつか、ちゃんと伝える必要があると思っていました。 彼にとってのたった1人の父親の事ですから、彼は知りたいはずです。 知って、彼に見え隠れする父に似た部分を、父から受け取ったものと自覚して、父を尊敬し、これからを生きていってほしいのです。 結婚し子供もいる優しい父親となった彼には、父のことをもっと知る必要があるのです。 でも、伝えられない。 それは、私が、私自身が父のことを整理できていないからに他ならないと気が付きました。 30年近く、ずっと考えることを避けていたのです。 どの位かかるか分からないのですが、もう少し心の整理ができたなら、 彼に伝えるつもりです。 「君の父は自殺です。 でも、尊敬できる父でした。 ・・・・」 このあとに続く言葉を、もう少し増やせたら、 かならず伝えます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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