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2005年03月20日
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本格的な冬を間近にした12月の朝、高校で1時間目の授業を受けていた私は職員室に呼ばれた。

「君のお父さんが危篤だと連絡があった。すぐに帰りなさい。」

直ぐに下校の手続きをとり、先生に何か一言二言言われたが、そんなことは耳に入らない。帰宅するために教室にいったん戻るが、みんなの視線も気にならない。となりにいた子に事情を話し、教室をあわてて学校から出たものの、バスは走っていない時間だし、タクシーも通るようなところじゃない。躊躇している場合ではないと思い、たまたま通りがかった小さな商用車を止めて、事情を話し、家まで乗せてもらった。この時の窓から見た青い空と真っ白な雪野原、それに反するような不安感をよく覚えている。

前の夜、父は自宅には帰っていない。母とは「どうせ麻雀でもしているのだろう」と話しをし納得していたが、やっぱりどこかおかしくて眠れなかった。朝になっても父は帰っておらず、何かあったかなと心配しつつも、登校した。

温かい車の中では、運転手さんがいろいろと心配して話かけてくれたのを覚えている。大丈夫とか、心配だねぇ、と言った類のことだったと思う。自分自身はそれなりに冷静で、ともかく、自宅に行けば、そこから病院に連れて行かれるだろう。そうしたらもう少し詳しい事も分かる。と思っていた。

自宅では、近所の母の友達が待っていた。神妙な顔で、「もう少ししたらお母さんから電話があるはずだから家で待つように」と言われた。私は父が死んだと直感した。





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最終更新日  2005年03月20日 14時46分07秒
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