カテゴリ:父
その日、私はひどくは泣かなかった。不思議なくらい冷静に見えたと思う。考えていたことは、母のように私も泣き崩れたら、親戚の人たちが心配するだろうし、母ももたないかもしれないということだった。何度も不安と悲しみが襲ってきたが、ぐっとこらえた。母を支える気持ちが、自分を支えた。
それでも、仮眠を取る前に当時大好きだった谷村新司の「玄冬記-花散る日-」をレコードで聞いて布団の中で泣いたのは覚えている。沢山泣くのは後にしようと思っていたけれど。 今、父と同じ42歳になった私の人生の中で、この泣かなかった事が、もっとも後悔することの一つだ。この時に、もっと泣いておけば良かった。思う存分泣いておけば良かったと、心から思う。そうすれば、父の死と向き合うのは、もっと早かったと思う。 もし、親御さんの不幸があっても泣かない子供がいたら、泣いても良いことを教えてあげてください。子供は、へんなところで責任を感じて、子供らしさを失っているかもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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