カテゴリ:父
当時は不況のまっただ中、父をそうし向けたのは借金だった。悔しいことに、他人の借金の保証人になったのがいけなかったようだ。家が抵当に入っていたため、それを失うことになること、債権者の皆様に迷惑をかけることが、父をそういう方に向かわせた理由だったようだ。家族や債権者には、保険でなんとかなると思っていたのかもしれない。しかし、当時、自殺では保険金はまったく出なかった。
その後の借金の処理は、私とは少し遠いところで行われたようで、内容はよく知らない。何人もの債権者が、残った少ない財産を巡って、話し合いを持ったとは聞いている。父の思い出の品、いくらか高価な物は、夜中のうちに別の親戚のところに移したのを覚えている。当時、高校一年の私は、とても情けない気持ちがしたのを覚えている。しばらくは生活保護を受ける生活を経験し、奨学生にもなり、新聞配達もやることになった。たった数ヶ月前の生活とはまったく違った。 父に保証人になってくれと家に来て父に頭を下げていた人のことを今でも覚えている。その人を憎むつもりはまったく無い。むしろ、その人には今も元気で生きていてほしいと願っている。ただ、その人に人としての気持ちがあるならば、その時の借金だけは父に返してほしい、と、今でも強く思う。 こんなことがあったので、私は友達であれ誰であれ、大きなお金を貸すことは絶対にしない。もちろん、保証人にもならない。(現在、住宅ローンが半分残っている身ですから、貸せるはずもありませんが・・・) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[父] カテゴリの最新記事
|
|