テーマ:身内の自殺(3)
カテゴリ:父
捨てられないカセットテープが二つあります。
一つは、1979年1月に録音したもので、弟が3歳の時の遊びの様子。 1978年12月に父が死んでから1ヶ月後のことです。 「パパ大好き~」 「箱に入ってどっかにいっちゃったの」 としゃべる声、それを残しておきたいと思いました。 ふざけながら、やけに明るい私と弟。 後ろで、早く寝なさいと叱る、疲れた、母の声。 「電気代がもったいないから」 「ふすまを閉めて」 「明日の朝も寒いねぇ」 という言葉から、当時は気が付かなかった、母の辛い気持ちを感じました。 もう一つは、1974年の3月、私が6年生の時のもの。 当時、父は小学校でPTAの会長をしていました。 この別れの季節、役員の方と先生方が、私の家に集まり慰労会を開きました。 何かの記念になればと思い、私が部屋の隅にカセットレコーダーを置いて、録音をしたものです。 私の担任の歌声も入っている貴重なものなのですが、途中、父が童謡を歌うところがあります。 あの子はたあれ たれでしょね お酒が入った父はことさら陽気です。 なんなんなつめの 花の下 お人形だんと 遊んでる かわいい美代ちゃんじゃ ないでしょか 語尾をさらに陽気にして歌う父。 この後、母も、そして皆さんが一緒に歌い始めました。 38歳の父の歌声でした。 テープの最後に、私に話しかける声も入っています。 「○○○、おまえ、お父さんの歌を聴くのは初めてだろ。 どうだった?」 私が返した言葉は聞き取れませんでした。 しかし、とても嬉しい一日だったのは、今でも、とても良く覚えています。 ・・・・ この休みに、この二つのテープをデジタル化し、弟におくってあげました。 彼は、何年も前に一度聞いたことがあり、初めてではなかったのですが、懐かしいと言っていました。 99日目、100件目の日記として、これを書きたいと思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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