テーマ:身内の自殺(3)
カテゴリ:父
妻には結婚する前から父の事は話していました。隠し通せるものではないと思ったからです。そして、妻の両親に挨拶をしに行ったときも、やはり何も隠さず話をしました。
他人に父の事を話したことはほとんどありません。せいぜい1人か2人くらいでしょうか。自殺を口にする友人がいて、その人には父の話をしました。死ぬなんて考えて欲しくないと。 今でもそうですが、父の事を誰かに聞かれた時は「父は太っていたので・・・」と言って口ごもるようにしています。そうすれば、相手は心臓疾患か何かだと思って、それ以上は聞いてきません。いつも、そうして逃げていました。 会社が決まった時、父の事がばれて内定が取り消されるのではないかと不安でした。 そして、結婚においても、 やはりご両親に反対されるのではないかと不安でした。 「お父さんは?」 「はい、父は、借金を苦にしての自殺です。それまでは会社の社長などもしていましたが、いろいろありまして、うまく行かなくなったようです。」 しばらく沈黙がありました。 「君は?」 自分の事を聞かれるとは思っていませんでした。 「あ、はい。私はそういうことを身近に経験したので、自殺ということに冷静に向き合ってきました。ですから、大丈夫だと思います。ただ、気を付けなくてはいけないと思っています。」 その時に言われたかどうかは記憶にありませんが、妻のご両親は、父の性格を私が受け継いでいるとすれば、同じような危険があるのではないかと心配したそうです。子供の相手が、そういう弱さを持っているとすれば、当然、心配だったのだと思います。 その後、何回か訪問して交流を重ねる中で、幸い、結婚は認めて貰いました。 結婚後も、もしかしたら、私のDNAの中に、そういうプログラムがあるのではないかと、どこかで不安に思っているかもしれません。少なくとも妻は、時々、私が落ち込んでいたりすると、そういう心配をしているような気がします。 もう、30年近く立っているのに、こうして私の人生に影響を与えつづけるのは不思議なことです。私にとって、いったいこの経験は何の意味があるのだろうと、時々思うことがあります。 父の生きた日数と同じ日数まで、あと57日 その日、私は何を思うのだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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