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カテゴリ:国際文化論 -北米VS欧州-
「郷にいては郷に従え」 と云います。 日本国内での職歴が長い私、 駐在員というのは、言うまでもなく「一時的滞在による勤務」でして、 広ーいコンドミニアムのみならず、車+ガソリン代も会社から支給された上、赴任手当もあるので、異国に住んでいながらにして、かなり貯金が出来ました...。 何だかおかしな話ですね。。 その一方で、現地採用された社員はというと...同じ日本人同士であれど、待遇にはかなりの開きがあって、同じ職場にいながらにして、大きな待遇格差があります。 彼らからよくこんな話を聞きました。 異国で働くということは、並大抵のことではありません。 現地採用ならば、仕事の能力はもとより、言葉もネイティブ並に操れてこそ、一般的な社員と互角に渡り歩いていける。 すべて「異国から来ている」という概念を排除してこそ、現地社会に溶け込んでゆけるのです。 私は、これまでそういった現地採用社員を見てきたからこそ、異国での就労の厳しさを実感しています…。 その国の、その企業の、そのコミュニテイの、いかなる単位の集団であれ、所属するグループにある規則(ひいては法律)、人との間にあるルールや習慣を理解し、それに対応する「順応性」(adjustment)を持ち合わせてこそ、社会に溶け込んでいけるのだ。
かねてから外国人社員を補充したいと思っており、企画書を上げたところ、トップより決裁が下りたので、 最近は外国人社員の採用面に多くの時間を割いております。 応募条件というと、 さらに、幅広くから人材を募集したかったので、敢えて「Experience(経験)を問わない」という条件を加えました。 もちろん日本での就労ビザ・サポート付、さらにはAccommodationサポートあり(←日本語で言うと社宅ですね)です。 確かにここまでの条件提示は、日本国内の外資系・日系企業問わず、なかなかの条件と思います。
そしていよいよ受付開始...
ものすごい反響でした。 Resume/履歴書(欧州で云うCV)のチェックが、一日では到底終わらないくらいの数。 個人情報なので、詳細を書くことは控えますが、どの方もすごいアピール力でして、 ここから先は、あくまでもその場の事実を書くまでです。ご了承下さい。 そしてInterview(面接)当日。 その後、個別面接を実施しました。 欧州や近隣各国から来ている応募者のアピールというと、日本人と似ており、 話がすんなりと耳に入ってきますので、言葉こそちがえど日本人の方の面接と、然程変わりないようにも感じます。 対してアメリカからの応募者はと言うと、 面接終了後にも、強烈なインパクトが残り、彼ら一人ひとりとどんな話をしたのか?を鮮明に覚えています。 とにかく内容が印象深いのが持ち味です。
インタビューも無事に終了し、プロジェクトのメンバーと共に(外国人の同僚を含む)採用者を決定。 良い人材とも出会え、成果は上々でした。
仕事とは離れて、この内容を振り返ったときに、気づいた興味深い話。
それは...日本で働く外国人 「仕事>プライベート」? それとも 「仕事<プライベート」? という価値観について。
まず気づいたのは、「日本人女性と結婚している、結婚を考えている方が、たくさんいらっしゃるんだなぁ」ということ。 在留外国人の方ですから、それは至極当然のことかもしれませんが、
手掛けているプロジェクトは最終局面に入っているため、ときに残業や土日の出勤、そして出張を余儀なくされるのが現状でして、雇用契約書類の中にも、それを入れているのですが、 面接の中で「時に起きる不測の事態に対し、会社からの出勤要請に応える用意がありますか? ありませんか?」と尋ねると 「家族(ガールフレンド) と過ごす時間が取りたいので、月に1日程度の残業・休日出勤、出張ならば良いが、それ以上ならば引き受けられない」という話し合いが時に出ます。 我々、企業側からすれば...それはアウトなんですよね。。 彼らはただ「仕事とプライベート、どちらのプライオリティが高いか?」について、正直に答えたまでなのは十分に分かりますが・・・。 勤務について融通性の低さを前面に出すと、企業採用者への印象を悪くするのも、日本にある企業ならではなのでしょう。 これも「郷にいては郷に従え」。 残業、休日出勤、よもやの出張といった、諸条件が受け入れられないならば...残念ながら、ご縁なし。 ちょうど、アメリカで一緒だった現地採用社員と、状況が似ているように感じます。
ここだけは、私見を込めて書いてしまうのですが、 とても家族(彼女)思いでうらやましい限りではあるのですが... 少なくとも他国の日本で働き、家族を養おうとする在留外国人のパートナーを思えばこそ、「仕事>プライベート」という、日本の企業風土の実態をしっかりとパートナーに示してあげるべきではないでしょうか... それは、日本国内だからという観点だけでなく、
「仕事と私、どちらが大事なの?」という愚問を浴びせるなどナンセンスです。 日本国内ならば、私たち自身、何ら不自由なく就労できますし、少なくとも私たちの方が日本の実社会を理解している筈です。 パートナーが異なる社会で仕事に就くのは、大変なことです。 仕事が終わった後には「おつかれさまでした」。 そして、一生懸命に働いたお給料で頂いたプレゼントには「ありがとう」。 何かと融通がちがう環境で働いているということを念頭に、心を込めて労いあえる関係であって欲しいと思います。 私は…それだけで十分だと思います。
面接に来られた応募者の方々の真剣なまなざしを思い出し、 私もゆくゆく就労にあたって、さまざまな苦労がやってくるのでしょうが、
そうそう、ここへ来て下さる皆さま、 結婚し渡米後、ご自分でアプライした ″NOT″ 日系企業、 早い話が現地企業からジョブオファー(内定)をもらわれたそうです! しかも、かねてからの希望職種だとか。。いやぁーすごいですね! 私も見習わなくっちゃ~
是非、皆さまより祝福の拍手をお願い致します
改めまして…おめでとうございまーす お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jan 22, 2008 10:30:27 PM
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