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テーマ:最近観た映画。(40089)
カテゴリ:試写会で観た映画
1979年にイランのアメリカ大使館で起きた人質事件で、カナダ大使の私邸に逃げた6人の職員を、
架空のSF映画を製作するロケ班として救出させるという驚愕の作戦をCIAが実際に行ったという、 18年後に明かされた実話を基にした内容を、スリリングに描いたポリティカル・サスペンスです。 “この≪実話≫は、フィクションよりも大胆” 原題はそのまま、“ARGO”。 ≪ストーリー≫ 1979年11月。 革命の嵐が吹き荒れていたイランの首都テヘランで、民衆がアメリカ大使館を占拠し、 52人の職員を人質にとるという事件が発生する。 何とか裏口から6人の職員は脱出し、カナダ大使の私邸に逃げ込んでいた。 しかし、過激派に見つかるのは時間の問題であり、見つかれば公開処刑は免れなかった。 1日、1日と時間は過ぎるばかりで、6人の救出は絶望的な状況にあった。 国務省から協力を求められたCIAの人質奪還の専門家トニー・メンデスは、 架空の映画製作をでっち上げ、ロケ班スタッフとして偽装出国させるという、 あまりにも奇想天外、荒唐無稽な救出計画を提案する。 トニーは「猿の惑星」の特殊メイクでオスカーを受賞したチェンバースの協力を得て、 SFファンタジー大作「アルゴ」の製作発表を行い、前代未聞の作戦を始めるのだったが・・・。 ≪スタッフ≫ 監督はベン・アフレック、製作はグラント・ヘスロヴ、ベン・アフレック、 ジョージ・クルーニー、製作総指揮はデヴィッド・クローワンズ、ニーナ・ウォラースキー、 クリス・ブリガム、シェイ・カーター、グレアム・キング、ティム・ヘディントン、 脚本はクリス・テリオ、撮影はロドリゴ・プリエト、編集はウィリアム・ゴールデンバーグ、 プロダクションデザインはシャロ・シーモア、衣装デザインはジャクリーン・ウェスト、 音楽はアレクサンドル・デスプラ。 ≪キャスト≫ トニー・メンデスにベン・アフレック、上司のジャック・オドネルにブライアン・クランストン、 ジョン・チェンバースにジョン・グッドマン、プロデューサーのレスター・シーゲルにアラン・アーキン、 カナダ大使のテイラーにヴィクター・ガーバー、他にテイト・ドノヴァン、クレア・デュヴァル、 スクート・マクネイリー、ロリー・コクレイン、クリストファー・デナム、ケリー・ビシェ、 カイル・チャンドラー、クリス・メッシーナ、ジェリコ・イヴァネク、タイタス・ウェリヴァー、 マイケル・バークスなど。 演出の手腕が高い評価を得ているベン・アフレックの監督3作目の「アルゴ」です。 日本では劇場未公開だった「ゴーン・ベイビー・ゴーン」(2007年)で監督デビューし、 エイミー・ライアンがアカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞の助演女優賞にノミネート、 NY批評家協会賞、LA批評家協会賞、放送映画批評家協会賞では見事、同賞を受賞しました。 (放送映画批評家協会賞ではアンサンブル演技賞にもノミネートされました。) そして、主演も兼ねた2作目の「ザ・タウン」(2010年)では、受賞こそ逃しましたが、 ジェレミー・レナーがアカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞、イギリスアカデミー賞などで 助演男優賞にノミネートされ、放送映画批評家協会賞では作品賞・脚色賞・助演男優賞など、 5部門にノミネートされました。 全米では10月12日に公開され、興行収入も初登場2位、2週目も2位をキープしています! 観客はもちろん、批評家やマスメディアからも絶賛評の嵐だそうで、今年の映画賞レースでは、 作品賞や監督賞への期待が高まっています。 3作ともいわゆる“事件もの”ですが、「アルゴ」は実際に起きた事件を扱っていて、 結末はわかっていても、緊迫感に溢れた演出で最初から最後まで超ドキドキでした!! 単に出来事を描くだけじゃなく、しっかりとエンタテイメント作品に仕上げていて、 ベン自身が演じた主人公トニー・メンデスをはじめ、さまざまな登場人物の人間像が 絶妙なセリフのやりとりによって描かれていて、リアリティ感がたっぷり味わえました。 緊張感が続く中、ふと笑わせてくれたのがプロデューサー役のアラン・アーキンと、 特殊メイクアーティスト役のジョン・グッドマンのベテラン2人が登場するシーンです。 ハリウッドの内側を暴露するような場面もあって、映画人ベンの遊び心も感じました。 当時の映像も上手く入れ込み、見事なセットやファッションや小道具で当時を再現し、 音楽も当時のヒット曲が使われています。 架空の映画製作をでっち上げる作戦は、まさに“事実は小説より奇なり”・・・。 それをCIAがやっちゃうところ、有名な特殊メイクやプロデューサーなど、 映画関係者までも協力しちゃうところが、いかにもアメリカらしい!(笑) どこまでが事実なのかと疑ってしまうくらい奇想天外で危険な救出作戦です。 ドラマチックな要素を脚色したところもあるそうですが、実際の出来事が、 まさにドラマチックだったそうで、必要最低限のアレンジだったとか・・・。 監督としてもですが、今作でのベンは、役者としても素晴らしかったです! 一昔前に「デアデビル」に出た時にはどうなっちゃうのかと心配しましたが、 その後、作品選びに紆余曲折しながら、「ハリウッドランド」で演技が評価され、 さらにラブコメやマイナー作品に出演しつつ、着実に監督業をステップアップさせ、 「アルゴ」が大絶賛されていることが、まるで身内のように嬉しくって!(笑) 顔中髭だらけなのも似合っていて、髪型のせいかとっても若く見えました。 ドキュメンタリーかと思わせるような会話で、シーンを見事に作り上げている 決して派手さではないのですが、実力派の共演キャストたちもスゴイです! ベンの奥さまジェニファー・ガーナー主演の「エイリアス」のヴィクター・ガーバー、 「CSI:マイアミ」のロリー・コクレインなどTVドラマで活躍した顔ぶれや、 いろいろな映画やTVドラマで、主演ではないところで存在感を魅せている顔ぶれが 本当にたくさん出演していて、キャスティングの素晴らしさを感じました。 (ロリ-・コクレインは髪型と髭のせいで、しばらく気づきませんでした! 笑) こんな作戦が実行されていたのかと、隠されていた真実を知るという面白さもあり、 サスペンス映画として、本当に見ごたえのある演出で堪能できる作品だと思います! 公開されたら、もう1度じっくり映画館で観直したいと思っています。 10月26日(金)より全国ロードショー公開されます。 「アルゴ」 オフィシャルサイト お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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