子供が犠牲になる事件が続いている。全部が全部性犯罪ともいえないのだろうけれど、子供に対する性犯罪というのは純粋な性欲というより弱いものを相手に自分の力を誇示したいという意味では同種の根があるような気がする。
先日、アメリカの小児性犯罪者対策の特集番組を見た。
アメリカでは小児性犯罪者はその所在を公表され、近隣の住民は自ら警戒する権利を与えられている。公開の方法は各州で異なるけれど主にインターネットで検索することができる。
ある州では住居と車に見過ごしようのない大きなサインを出さなければならないのだが、ここは小児性犯罪者の家です、というサインの下でどうやって生きていけるのか、不思議でならない。
今回の番組で見たのはカリフォルニア州のある前科ある男性の例が紹介されていたのだけれど、数度の少女への暴行で懲役を受けた過去がある。
GPSを足首に付けたり、化学薬品で性衝動を抑制する(化学的去勢)というあたりまでは聞き知っていたけれど、実際の監視、規制は想像以上に厳しいもので、上述したように家にサインを出すことは命じていないが、
・ 毎週、一週間の予定を担当者に提出する。それ以外の行動をとる場合はスーパーの買い物であっても随時許可を受けねばならない。
・ 食料、衣服といった日用品を越えるものはすべて申請した上で許可を求めなければならない。パソコンは悪用を恐れたのか申請して6ヶ月許可を得られなかった。
・ 極めつけは人間関係に関する規制で、個人的な人間関係を築く場合は、単なる友人レベルであっても自分の経歴を書面で提示し、それを了承した上で付き合うという意味のサインをもらわなければならない。
アメリカというのは時に極端に走るから、これもその一つなのか。そうではなく、本当にここまでやらなければならないほど危険な人物だというなら、社会で暮らすべきではないだろうとも思う。
しかし、この種の犯罪者の再犯率とその結果もたらされる悲劇を思えば、これも必要ではないかとここ数日思っている。日本でここまでできるとは思わないけれど、GPSと月毎位の行動チェック程度はやって欲しい。
その次に矯正プログラムを大きく強化して欲しい。今回続いた事件の結果、通学路の案縁措置のための予算が組まれたと聞いたけれど、矯正関係にも是非予算を組んで欲しい。現在の矯正プログラムは貧弱というよりないに等しいレベルで、これが成功すればそれがなによりなのだから。
ただそれでも、これを二番目としたのはこの種のことは効果が出るまで時間がかかるからだ。これから予算を組み、専門家を集め、効果のある方法を探し、それを全国に展開して、実を結ぶまで、どんなに順調にいっても5年、恐らく10年程度の時間がかかるだろう。
その間のリスクは別の方法で減らすしかないもの。
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