カテゴリ:パプア・ニューギニア
3日目続き
初めて訪れたマヌスの島。 タウンと呼ばれるロレンガウは他の地方都市(?)がそうであるように 公共の市場が中心にあり、その周りにスーパーマーケットが3、4つある程度で 宿泊施設は第三セクター営業のホテルが一つと幾つかのロッジがあり、 あとはラジオ局が一つあるそうだが、最近火事で燃えてしまったとの事。 首都との定期便が週に3本だけなので新聞もその時にまとめてやってくるそうだ。 ざっと半径一キロ程度の小さな町である。 明日、今回の目的地の山奥に向かうので今日はロレンガウの隊員宅の近くに あるロッジに宿泊することとなった。 PNGは飛行機での移動が中心な上に宿泊施設の料金が非常に高いのが特徴で 泊まったロッジも6畳位の部屋にベット、テレビ、クーラーがあり トイレ、シャワーは共同、食事なしで一泊130キナ(5200円)もする。 他の途上国ではありえない金額である。 チェックインの後は唯一のレストランがホテルにあるのでそこで昼食を摂った。 (レストラン以外ではカイバーと呼ばれるファーストフード店(?)が2つほど) 食後は特に見るものもないので昼寝。 夕方に目を覚まし隊員宅で夕食。 食うか寝るかそれがPNGでの生活なのだ。 昼食はハンバーガーだったが夕食はマヌス名物カニとロブスターの甲殻類コンビだ。 南緯2度辺りにあるマヌス島は海産物が豊富で朝には市場で新鮮な魚介類が 手に入る。一キロ程のカニが400円でロブスターは体長30センチ位で500円といった 具合でこちらはとても安い。今回は一人に一匹づつで贅沢な内容だった。 いずれも塩茹でしただけだが、味は日本で手に入るものに引けをとらない。 夕飯を終え2時間ほど歓談して解散。 地方とは言えPNGなので夜9時にはロッジに戻り再び寝る。 4日目 朝9時に目を覚まし10時に予定しているボートに乗って出発。 ロレンガウは島の東部にあり今回向かうカリ村は島の中央付近にあるので 島の北側をボートで西へ2時間移動しそこからケモノミチを北に徒歩で4時間の場所にある。 島の中央を横断する形で道があったのだが、水害で使えなくなっているために このような移動手段となる。 ボートは定期便がこちらも週に3回しかないので今回は隊員がチャーターした形だ。 ボートは所謂4級船舶(今は違うのかな)で乗るタイプで5メートルくらいの船体に 船外機ひとつと言ったもので地元の漁師が副収入として営業している状態だ。 ほぼ予定通りにロレンガウを出発したのは良かったが、途中でやばい時間帯もあった。 それは海上で鳥山を発見してしまったからだ。彼らは元々漁師なので客船として 使っていても獲物が居ればその場で漁をはじめてしまうのだ。 今回はチャーターということでその場で説得し執拗に魚を追う事を止めさせる事が できたが、場合によっては漁に夢中になりガス欠で海を彷徨う事もあるのだ。 2時間弱でンドロマロマロという場所に着きいよいよ歩きがはじまる。 ここでトラブル。 荷物を運んでくれる隊員の同僚がここまで来ているはずだったが一人しか見当たらない。 隊員は町に出る際は食料を購入してから村に帰るので今回も大量の食品が荷物として あったが、我々3人は手荷物で精一杯なので迎えの一人では全然足りない。 しかたなく、近くの民家に荷物を預け出発する事に。 現在マヌスは乾季だと聞いていたのでここまでは天気がよかったが、ンドロマロマロを 出発するころには雨が落ち始めていた。 道幅4、50センチの道はぬかるんできており、歩きにくい事この上ない。 現地の人達はここを裸足で移動するのだから体力は段違いだ。 歩き始めて30分でお父さんがギブ。 雨もきつくなってきており近くの民家で休憩。 そこに居たおじいさんは自称もうすぐ100歳で戦時中日本兵と付き合いがあったと 昔話を聞かせてくれた。当時メジャーだったらしい鳩ポッポの歌まで披露してくれた。 雨は弱まる気配が見えないのでお父さんの荷物を迎えに来た現地人に持ってもらい 移動を再開した。荷物が増えてもビクともしないのがまたスゴイ。 道は既に小川のようになっており身体はもちろん靴の中もビシャビシャで寒い くらいになってきた。同行する現地人に「今、乾季だろ」と確認すると雨季だと 言ってくる。一体どっちなのよ…。 その後2回の休憩を挟んでようやくカリ村に付いた。 村では熱烈な歓迎があるのではと思っていたが、隊員の同僚がふもとまで迎えに 来てなかったのと一緒で村の人もマバラ。 どうも予定外のワークショップが入ったとかで皆違う村まで行っており 隊員のお父さんが来る事が村に伝わっていなかったようだ。 熱いシャワーを浴びたい心境だったがここにそんな物は無いので近くの川で水浴び 思ったよりもキレイな水だったので気持ち良く(?)汗を洗い流せた。 同時に着てきた衣類を文字通り川で洗濯。 大き目のバケツに水を張って洗濯物をかき混ぜ遠心力分離を試みる。 バケツの水はすぐに汚くなるが汚れの落ちは当然イマイチ。 足腰がクタクタな中、隊員は我々の食事を準備してくれた。 隊員間のメジャー料理マギー丼だ。 マギーとは食品メーカーのネスレが出している袋麺を茹で出来上がった麺を ご飯の上に汁無しで乗っけて茹でた野菜と魚の缶詰を加えたもの。 標高200メートル程の村では動物淡白が限られておりこれでもかなり贅沢な 一品なのだ。 電気が無いので冷蔵施設もなく海辺で採れた魚は燻して保存しなければ ならないこの地では缶詰の方が安心して食べられるのである。 辺りは暗くなり学校を中心としたこの村はひっそりとしてきた。 隊員宅には村で唯一のソーラーパネルがあり、そこから得るかすかな電気は 室内を明るく照らしてくれる。 食後、隊員の同僚が出張(?)から戻ってきたらしく一人また、一人と訪問してくる。 皆、フルーツや野菜を持ってきて、よく来たと歓迎してくれた。 隊員曰くここにしか電気の明かりが無いから普段から皆よく来るそうだ。 家は彼の前任者が来る事になって立てられたもので築5年目といったところだ。 2ベットルームにリビングで広さは十分。建物の横には巨大なウォータータンク。 水道が無いこの地では雨水をためて生活に利用している。 村にはここを含めて二つのタンクしかないので付近の住民もよく利用しに来るそうだ。 この日も夜9時過ぎには就寝。 久々に身体を使ったのでぐったりだった。 本日の危険度 50%…第一印象としてはここで2年暮らせと言われれば田舎出身のわたしなら 出来なくはないなといった感じ。だが、進んで住む気にはなれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jun 21, 2006 03:26:51 PM
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