ポール・マッカートニー/レッド・ローズ・スピードウェイ
このアルバムははっきりいってバランスは相当悪いアルバムです。でも、収録曲はクオリティの高いものが多いです。1曲目の「Big Barn Bed」 から7曲目の「When the Night 」までは自然な流れで聴け、とても心地良いです。でも次の「Loup 」でその流れは突然、遮断されてしまいます。解説にはピンクフロイドっぽい曲と称されることが多く、なるほどそんな感じだし、これだけ聴けばそんなに悪いとは思いませんが、明らかに浮いてます。そして「Medley」ですが、個々のメロディラインは魅力的なのですが、なんかまだデモテープの段階という気がします。どこがどうと言えるわけではないのですが、もう少し練ればもっと良くなったような気がします。それにしても、「Hold Me Tight」って、聴く前はビートルズのセルフカバーか?と思っちゃいましたよ(笑)。最初に戻って「Big Barn Bed」は「ラム」の中でその一節が歌われていたものです。ポールは「ホワイトアルバム」の頃から、こういう手法を使ってて「続きが聴きたい!」という気にさせてくれたものですが、ようやく続きを聴かせてくれました(笑)。いやぁ、文句なしにいい曲です。「My Love」をいい曲というのはあまりにも、って気がしますがいい曲です(笑)。「Get on the Right Thing」こういう出だしは静かに始まって急にハードになる曲調はポールお得意のパターンですね。この展開はやはりいいです。「Little Lamb Dragonfly 」ポールの曲でベスト10に必ず入る程好きな曲です。これも長さを有効に使ってる感じがします。「When the Night 」どこかで書いたことありますが、杉真理さんが好きだといってた曲で、それから注意して聴いてから好きになった曲です。最後の最後でポールのシャウトが爆発するのですが、それまでためにためてる感じがあってそれが最高にいいですね。ボーナストラックにもちょっと触れておきましょう。「C Moon」90年代のライブで結構とりあげられている曲です。ちょっとレゲエっぽいリズムでうまく曲を組み立てていると思います。「 Hi, Hi, Hi 」短い単語を3つ続けたタイトルの曲ってポールに限らず名曲が多いですよね。"SAY-SAY-SAY""YES-YES-YES"・・・・・というわけで、致命的な欠点を抱えてるアルバムですが、いい曲が多く適切な選曲をしていれば最高のアルバムがつくれていたかも知れません。同時期には「007/死ぬのは奴らだ」のような超名曲もありますし・・・・