amazing baby

夫の休日を待って、
ようやく家族揃って映画館へ。

一番観たい映画（内緒）は、こちらの希望時間には
やっていなかったので、
代わりに「SUPER8」を選んだ。

脚本と監督は違うけれど、
ともかく、スティーブン・スピルバーグらしい映画だった。

SUPER8って8mフィルムのこと。

ともかく、なにもかもが懐かしい
1979年の物語。

ちょうどスリーマイル島の事故直後という設定であることは
冒頭に出てくるテレビニュースの音声でわかる。
少なからずドキッとするけれど、
放射能は関係なくて、未知との遭遇。

工場の事故で妻を亡くしたラム家の葬儀から
物語は始まる。

息子のジョーは学校のクラスメートたちと一緒に
8m映画を撮るのに夢中。
手先が器用な彼は、メイクや衣装、美術関係の担当。

ある夜、駅で撮影の最中に貨物列車の脱線事故が起きて……。
ここまでは、予告で誰もがご存知の部分。

貨物列車は空軍の機密を運んでおり、
それに深く関わって来たジョーたちの学校の生物教師が、
列車の脱線を企てた。

一部始終を目撃したジョー。
嫌が応にも事件に巻き込まれていく。

ラスト近くで、私は内側から大きく揺さぶられる快感を覚えた。

一体何年ぶりだろう？

なんだか重しが取れたような爽快感。
もう、いつでも本当に号泣できるようになった、
と思えた。

「つらいことはたくさんあります。
　それでも生きていきます」

あまりに説明不十分で申し訳ないけれど、
ジョーのこの台詞と、
そのあとの展開で、
何年も微動だにしなかったものが私の中で動いたのだった。

それを忘れたくなくて、ここに書いておく。

ジョーとその仲間が製作した8m映画が、
エンドロールで流される。
ゾンビと闘い、事件を解決に導く刑事の物語。

子どもの頃、父が8mカメラに凝っていて、
色がきれいだからとカラーを撮るときには
必ずコダックのフィルムを購入していた。
撮り終えたら、現像のために郵便で送る。
現像されたフィルムが届くと、
その夜は映写大会。

ビデオの時代に変わり、
すべての8mフィルムをビデオに変換してもらったが、
今度はDVDに変換しなくては観づらい状況になっている。

時代の変遷と、子ども時代への郷愁のようなものも、
内なるものを動かす牽引力になったかもしれないけど。

久々に、映画を観て幸せな気持ちになれた。